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これからの”消費のあり方”を考えよう!「ものをつくる人」と「ものをつかう人」のあたらしい関係性【mass×mass Cafe レポート!】

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シェアオフィスmass×massが毎月第1金曜日に開催している恒例のトーク&交流イベント「mass×mass Cafe」。
 
「mass×mass Cafe」は、毎回あたらしい価値を創造しているクリエイターや実践者をお招きして、これからの時代を切り開くためのアイデアやマインドのヒントを探るナイトパーティー。「これからの”消費のあり方”を考えよう! 〜「ものをつくる人」と「ものをつかう人」のあたらしい関係性。エブリデニムが描くものづくりの未来〜」が7月のテーマです。シェアオフィスmass×massの入居者はもちろん、EVERY DENIMさんに興味のある方、これからの作り手と買い手とのコミュニケーションに興味のある方など、たくさんの人が集まりました。
 

トークの前に…EVERY DENIMを試着させていただきました!!


▶︎EVERY DENIM
 
今回はトークイベントが19時スタートでしたが、17時半よりEVERY DENIMさんの試着会を実施!
金曜日の17時台にも関わらず、EVERY DENIMさんのつくったジーンズに興味ある方がたくさんいらっしゃいました。
 


 
これまで4つのモデルをつくられてきたEVERY DENIMさん。
 
それぞれ、エシカルファッションプランナーの方とコラボしたり、オンラインサロンメンバーと1年間かけて議論を重ねてつくられたり、つくるプロセスを大切にされています。
山脇さんにデニムの特徴を伺いながら、試着させていただきました!
 

デニムブランド「EVERY DENIM」って?

 
みんなでジーンズの良さを体感した後は、山脇さんをお迎えしてのトークイベントが始まりました!

今回のゲストスピーカー

EVERY DENIM 山脇耀平さん

VERY DENIM共同代表・兄
1992年生まれ。大学休学中の2014年、実の弟とともに「EVERY DENIM」を立ち上げ。オリジナルデニムの販売や
スタディツアーを中心に、生産者と消費者がともに幸せになる、持続可能なものづくりのあり方を模索している。繊維
産地の課題解決に特化した人材育成学校「産地の学校」共同責任者。
◎EVERY DENIM:http://everydenim.com/

 
岡山出身で小さい頃からジーンズが身近にあった山脇耀平さんは、弟の島田舜介さんが岡山大学に進学したことが一つのきっかけとなり、デニム工場を見学。実際に職人さんが手作業でデニムをつくっているところを目の当たりにして純粋にカッコいいと感じたんだそう。

それから、職人さんたちの魅力を発信するために、「どういう思いでものづくりをしているのか」「これからどんなことが必要になるのか」取材をしていきました。
 
『取材を通じて、抱える課題が見えてきたんです。自分たちが貢献するには情報発信だけでなく、自分たちで企画したデニムを一般の方に履いていただくことによって、瀬戸内のデニム産地に興味をもったり、足を運んでもらえたら嬉しいなと思ってデニムをつくることにしました。』
 

 

EVERY DENIMは売り方、届け方にこだわりたい

 
「EVERY DENIM」の名前に込められた想いについて山脇さんが教えてくれました。
 
『1つはエブリというのはジーンズが人種や性別、年齢に関わりなくみんなが履いている、“地球着”であること。2つ目は、これから岡山の産地みんなで協力しながらデニムを発信していきたいという想いがあってエブリデニムと名付けました。』
 
そんな「EVERY DENIM」は売り方や届け方にこれからチャレンジしていきたいんだそう。
 
『EVERY DENIMとしてデニムを届ける以上、長く履いてほしいんです。
ものの届けられ方って、長く使う上でとても大事だなと感じていて、僕自身が想いを持って伝えたり、顔合わせることで販売することがデニムを長く履いてくださることに繋がるんじゃないかなと考えていて。
いま自分たちにできることが何かを考えると、対面で届けることだなと感じて、移動型販売にチャレンジしようと思っています。ワクワクしてデニムを待ってもらうとか、そんな売り方をしていきたいです。』

 

 
デニムブランド「EVERY DENIM」としてのスタンスはとても自然体であり寛容と感じたのは、消費者にこうあるべきだという押し付けが一切ないからだと感じました。
お話を伺っていて、とても印象的だったのは「納得感」というキーワード。それぞれ個人が持っている価値観のなかで”良い”と納得できる消費をしようというゆるやかな提案がありました。
 
『自分たちとしては、デニムを買ってくれる皆さんが「これで良い、これを気に入った」と納得感を持って買っていただければそれでいいかなと思っていて。
それは僕たちの売り方なのかもしれないし、支援の意味なのかも知れないし。いろいろあると思うので、それぞれの捉え方があっていいと持ってます。』

 

クロストーク
これから自分たちが消費していくものをどう選択していくのか

 

 
後半は弊社スタッフの森川と当日集まってくださった皆さんと一緒にクロストークを展開していきました。
 
マスマススタッフ森川(以下、森川)  お話を聞いて、EVERY DENIMの販売のしかたが通常と違うというのは、分かってきましたよね。ぼくもポートランドに行ったときに消費のあり方やリーマッショック以降の若い人たちの価値観の変化について聞くことがありました。
 

山脇さん  ものを買うときに、選択肢が多すぎて決め手にかけるんですよね。結局消費することが目的になってしまっていて、全然満たされないことに疑問を持っていたことがあって。なぜ、自分は持っているものを愛着をもって使えないのかな、と。
一方で、たとえば顔の見える関係性の人からなにかを買うと、すごい喜ばれるのが嬉しかったり。その小さな積み重ねの中でなにか満たされていく感覚がありました。
 

森川  たとえば町内の人が作っているお弁当と、コンビニで買うお弁当を選ぶとき。前者を選ぶことで、地元の顔が見えるなかで経済を少しでも回せる。そういうことに価値を感じている人は増えてきている気がするんですよね。
 

 
山脇さん  そういう風に生まれる製品がマスにならなくても良いと思うんです。消費するものすべてを明らかにするのは難しい。その人がどのように作ってて、どんなことを大切にしているのかを“信頼”できていれば、全てを明らかにしなくてもよくて。
一人ひとりが、洋服はこういうところまでは納得したいな、食についてはここまで納得したいなというのがあって、それぞれの価値観によって違うと思う。選択肢として存在していれば、それがいい人が選べばいいくらいに思っています。
 

参加者A  自分もアパレルの仕事をしていて良いものを伝えたいという気持ちは一緒です。職人さんを支えるという意味でも丁寧に伝えたいと思いました。
 

山脇さん  以前、ゲストハウスで販売していたときに、この販売方法で良かったと実感できる出来事がありました。
それは、これまで1,000円くらいのパンツしか購入していなかった方がデニムを購入してくださったことがありました。これすごい面白いことだと思っていて。自分たちの単価にあった場所でしか販売していなかったら出会えなかった人たちが、たまたまEVERY DENIMと出会い、面白がってくれて。色々な人が集う場所で販売させていただいて、そこから新しい価値観を知ってもらうきっかけを作れたらいいなと思います。
 

 

参加者B  私も消費のスタイルが大きく変わっていることを実感している一方で、従来の販売スタイルにも閉塞感を感じています。いまこの対面の販売スタイルをしていて、一円でも安いものを買いたいという消費者マインドにぶつかったり悩みとかってありませんか?
 

森川  自分たちでプロダクトをつくっていない小売りの方に共通しそうな悩みですね。欲しいものの一番安い値段で簡単に買える時代。だからこそ、リアルな場を持っている人はそこにどんな価値を提供できるのか。そこなのかもしれないです。
 

山脇さん  どれだけ売れるとかは一旦置いといて、先ほどのゲストハウスのように偶然性、きっかけだと思っていて。たとえば、僕は菜箸を欲しいと思っていたんですが、でもネットで検索したけど結局買わなかったんです。でも旅行やゲストハウスにいったときに菜箸職人ですみたいな人と出会ったら、少々高くても絶対買うなと思って。それって一つの納得感だと思うんです。
 

森川  これから人口減少していくなかで、何をビジネスのゴールにするのか。どの事業もそこを探っていると思うんです。これから10年20年のスパンで見たときにどういう消費のスタイルがあると良いのか、考えるきっかけになったんじゃなかったのかなと思います。
山脇さんありがとうございました!!
 
 


 
 
( text・photo / ほりごめ ひろゆき mass×massスタッフ )
 

マスマスカフェとは

massmasscafe2015

横浜のコワーキング・シェアオフィスを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社が、毎月第一金曜日に開催するトーク&交流イベント。毎回あたらしい価値を創造しているクリエイターや起業家をお招きして、これからの時代を切り開くためのアイデアやマインドのヒントを探るナイトパーティー。
この横浜・かながわであたらしくビジネスをはじめたい人、課題を解決するブレイクスルーを求めている人、一緒にプロジェクトを始める仲間が欲しい人等、沢山の人が集う場です。もちろんマスマスに入居を検討している方も、毎回ウェルカムです!是非遊びに来て下さい。
 

『マスマスカレッジ・エシカル講座開講!7月27日〜』
 

 
mass×mass collegeではこれまで、あたらしい価値を生み出している方々と一緒にこれから時代に大切になってくるエッセンスを学び自分のアイデアを形にするためのスクールを開講してきました。7月27日からは新たにエシカル講座がスタートします。世の中にモノや情報が溢れいる時代。私たちはこれからどのように消費するのものを選んでいけたら良いのか。だれもがインターネットを使って発信ができるようになり、これまでと違った”作り手”と”買い手”の関係について、ゲスト講師のかたの経験にもとづくお話をヒントに参加者の皆さんと一緒に議論しなが進めていきます。
 
▶️【NEW!】マスマスカレッジ・エシカル講座!