この秋、10/14(水)からスタートする“地域をつむぐローカルジャーナリズム講座”。
受講生募集中!!
このプログラムは、マスマスを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社と特定非営利活動法人森ノオト共催によるデイタイムに実施される講座。
なぜ、いまローカルメディアが必要なのか。昨年は訪日観光客数が1000万人を超え、今年も歴代最高になる見込みが出されている。グローバルに人の流れが加速し、目まぐるしく変化しているように見える世の中であなたが生きていくのに、大切な暮らしを案外見過ごしてしまっているかもしれない。足元にある暮らし、自分たちが暮らしている地域に目を向けることで、楽しい暮らしが生まれる。地域の魅力は十人十色、地域の魅力はそこにしかない、宝のようなもの。そこでの暮らしを魅力的に発信することで、きっかけが生まれるかもしれない。地域で輝く、ヒト、モノ、コトが見つかるかもしれない。まずは、自分の暮らす地域に目を向けてみませんか?
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この10月から平日の水曜日、昼のデイタイムにスタートする地域をつむぐローカルジャーナリズム講座。本講座をマスマスと一緒に企画実施する特定非営利活動法人森ノオトの北原まどかさんと、マスマス代表の治田友香の対談トークをお届けします。
それぞれ子育て中の母親でもあり、横浜でさまざま事業やプロジェクトを実践する起業家としての顔を持つ二人。それぞれの子育て体験や、これからの地域コミュニティのあり方についてなど、本講座がスタートすることになったきっかけなど、いろいろなお話が飛び出す、熱い対談となりました。ぜひ、ご覧下さい!
いよいよはじまる!ローカルジャーナリズム講座
治田 この秋、マスマスでは講座が目白押しなのですが、その中でも私にとってスペシャルな講座がこちら「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」なんです。
今回ご一緒出来るのを楽しみにしておりました。
北原さん こちらこそ!いよいよですね。
私もずっと楽しみにしていたんですー。
治田 そういえば、北原さんと一番最初にお会いしたのはいつでしたっけ?
北原さん あれは2013年5月に市民活動支援センターで行なわれた企画会議にお互い呼ばれていて。それぞれの食と農に関わるアクションをしていたのがきっかけで。
マスマスさんは食との農の講座、私たちは森ノオトの取り組みで“マルシェネットワーク”という場づくりをはじめていて、農家さんの取材などを多く行なっていろいろと情報発信を行なっていました。
治田 そうでしたね。この秋に「食と農のプロデューサー養成講座」の3期目をスタートさせたところです。
まだ森ノオトを知らない方に、ぜひ北原さんの活動を簡単にご紹介いただけると嬉しいのですが。
森ノオトの北原まどかさん。ローカルメディアの運営を通じて地域に知り合いが増えたこと、お子さんの成長を喜んでくれる大人が地域に沢山いることがこんなに嬉しいこととは、最初は気が付かなかったそう。ふとした時に幸せを感じる日々とのこと。
北原さん そうですね、ぜひ。
森ノオトという“横浜あおば発・地元のエコ発見メディア”を運営しています。
もともと私自身が2000年の新入社員でタウンニュース社に入って、そこから地域の情報発信をすることに携わってきました。その後、住まいとエコの雑誌『チルチンびと』の編集部に入り、2005年に退職、フリーになったんです。それ以降も“環境や食”をテーマにライターを続けてきていて、2009年の出産を機に【地域×環境】をテーマに何かメディア作りたいなという気持ちが湧いてきて。
その時にご縁のあった地域の工務店さんにお金を出していただく形で、2009年11月「森ノオト」という《地域×環境》をテーマにしたメディアを立ち上げ、運営をスタートさせました。
そして2010年8月に、これまで取材を通して出会ってきた地域のおかあさん達・主婦達が“リポーター”として地域情報を自ら発信するスタイル、“読者が発信側に立ってみる”ってとっても面白いんじゃないか、ということでいろんな方を巻き込んでいったんですね。
また年間20回以上イベントを実施するようにもなって、そうしている内に地域で顔の見える関係性がすごく深まっていきました。一度に130人が集うイベントも出てきたり。
じゃあ森ノオトを法人化して、独立して進めて行こう!となったんです。そこから1年くらい掛けて準備して、2013年1月にNPO法人化して現在に至っています。
治田 そのリポーター養成講座を実施されたきっかけというのはどういうものだったんですか?
北原さん そうですね、それまで地域で取材をしている時に出会った素質がありそうな方に、私自身が一人一人直接声掛けしていたんです。で、マンツーマンの形で記事の書き方を教えるというスタイル。
それを体系化して、きちんとプログラムの形にして受けてもらうことで、公募という形で新しいリポーターさんに参画してもらえるように出来たらいいよねと。仲間も増やせるし。
それで、2013年の1月からリポーター養成講座というのをはじめました。
その講座は、ライティング・メディアリテラシー・写真といった部分を学ぶ機会を提供していたんですが、運用とか資金調達といった部分は踏み込めてなかったんですね。
その頃から治田さんと、マスマスでメディア講座をやれたらいいねとお話をさせてもらっていて。
治田 そうでしたね。ちょうど、昨年の今頃には実施出来たらいいねと話していたんですよね。そのタイミングが北原さんの2人目のお子さんの出産と重なって。
北原さん そうなんです。私としても待ちに待った講座なんです。
代表の治田。森ノオトの取組み知って、すぐファンになったそう。
マスマスについて
治田 北原さんはマスマスについてはいつ頃から知っていただいていたんですか?
北原さん 一番最初に知ったのは、今回の講座でも講師を努めていただく木村麻紀さんから聞いたのが最初だったと思います。麻紀さんは、環境ジャーナリストとして活躍されている先輩として、また同じ歳のお子さんを持つ母親としても仲良くさせていただいて。
その麻紀さんがFacebookかTwitterでマスマスのことを発信されていたんですよね。横浜の関内にシェアオフィス&地域の人と人が集う対話の場を併設した、あたらしいコミュニティプラットフォームが出来たよ!と。なので、比較的オープンしてすぐの頃から存在は存じ上げていました。
治田 そうだったんですね。
北原さん それから、市民活動センターで治田さんがお話されていた内容が、市民活動こそシビアにお金の部分のイメージを持ちながら実践することが大切で、ビジネスのあり方や持続可能性についてお話されていて。それを聞いて、厳しさの中にも一本筋の通った、“愛”のある話をされていて、すごく共感したのを憶えています。
治田 地域活動、ソーシャルビジネス分野も同じで、私たち自身もそこで戦っているものですから(笑)
北原さん 私自身も地域で活動する中で、そういった経験があって、市民活動の難しさは感じていたところだったので。そこからですね、治田さん&マスマスの活動に興味を持つきっかけになりました。
広くオープンな場づくりをされていますし、ニュートラルで地域のいろいろな視点が学べる、いろいろな人が関わっているコミュニティプラットフォームとして、非常に好感をもって活動を拝見しています。
2児の子どもの母親でもあり、地域でさまざまなプロジェクトを実践する起業家でもある二人。それぞれの経験と体験から、本講座の実施にスムーズに至ったそう。
治田 そういっていただけると、嬉しいです。
ありがとうございます。
北原さん 2013年12月に実施された「子どもの未来を創造するソーシャルビジネス起業講座」※でお声掛けいただいて、講師としてお話させていたく機会があって。その時に受講生としてお会いした方々とは今でも関係が続いていますし、非常に良いご縁をいただけたなと想っております。
治田 PVプロボノの楠木さんもそうですよね。とっても素敵な方ですから。良いご縁になって私も嬉しいです。
講座を通して伝えたいこと
北原さん ぜひ、治田さん視点の「地域をつむぐローカルジャーナリズム講座」の面白さを聞かせて下さい。
治田 そうですね、地域資源としての子育て中のママに着目して、さまざまな取り組みやムーブメントを創り出している「森ノオト」の活動は早くから注目をしていました。
知れば知る程、これは青葉区だけに留まっているのは勿体ないなと。私が住んでいる旭区にもあったらいいのになー、というのが最初ですね。笑
北原さん そうだったんですね。笑
治田 それから、市民活動やソーシャルビジネスにしても同じだと思うのですが、地域を盛り上げていくにはいくら想いがあっても、1人では絶対に出来ないですよね。
マスマスでも起業・創業の講座を実施していく中で、今多くの人達が地域に目を向けてはじめているのを実感してます。ただ、これまで企業に所属して、地域との接点が無かった人にとって、いきなり地元や暮らしているエリアで何かをはじめるのってハードルが凄く高いんですね。
その辺りでローカルメディアを通じて活動を通して地域との接点を作りながら、横につながって行くスタイルが、非常に魅力的なだと思ったんです。
本当に旭区や他の区にもあったら面白そうだなーと。
北原さん そうでしたか。
ありがとうございます!
森ノオトというローカルメディアにぴったりだったのが主婦の方々だったんです。実際に何か仕事を持ち働いている方は自宅と会社の往復で、ほぼ一杯一杯。地域と向き合う時間はないですから。
それが、第一子を出産したお母さんというのは、それまでは仕事を持ち普通に働いていた方が多い中で、出産を機にこれまでのスキルを活かせる場も失ってしまうんですね。もちろん子育てを軸に生活をしていくんですけれど、まずはママ友として地域の中で友人を探したり、何か自分が出来ることや興味あることを探して、最初は地域をうろうろするんですよね。私もそうでした。
その時の自分自身のアイデンティティとしては○○のお母さん、○○ちゃんのママなんですね。そこにこれまでの経験やスキルはまったく関係なく。
治田 そうなんですよね。地域では◯◯ちゃんのママというのが、自分の肩書きなんですよね。
地域で活躍の場を探している人は多いはず。特に青葉区では子育てママ達が、それぞれのスキルを活かしながら地域で活躍できるステージを求めている人が多いと感じる、と北原さん。
北原さん それが森ノオトというローカルメディアに所属することで、主体性を持って地域で活動するきっかけになる。森ノオトでは、必ず“自分の好きなこと”で取材して下さい!と言うんです。自分が興味あること、自分自身が応援したことに対して取材をするようにして下さい。と。食が好きならレストランやレシピについて。それぞれ手仕事だったり、自然や野外保育が好きなら、それをテーマに人に会いに行って、人とつながっていく。
そうすると、○○のお母さんではなくて、いつの間にか“森ノオトのライターさん”でもなく、同じ地域で活動する◎◎さんという認識になるんですね。地域で人と人が結びついて、リアルな関係性がどんどんが広がって行くんです。
専業主婦のお母さん達は、実は自己肯定感が低いと言われていて。これまでバリバリ働いてきた経験があったり、しっかり大学で勉強されてきてたり、それなのに『どうせ私なんて』という感じになっていく。子どもが小学生に上がったら、せいぜいパートするくらいかなーと。それを聞いて本当にそれでいいのかな?と思うことも多くて。
治田 そうですね、これまで培ってきたスキルや経験を活かせる場が地域にあれば、ぐっと自己肯定感が上がるでしょうね。
北原さん 地域でローカルメディアの一員として様々な人と出会い、いろいろな場所に出掛けていくことで、さらに自分自身が輝ける場所を見つけてもらえたらいいなと思っています。
取材の仕方を講座で学んだとしても、それだけでは何も生まれない。実際に地域に出ていって、顔を合わせて話を聞いて、その活動を多くの人に伝えるにはどうしたらいいのか、きちんと考えて発信することを通じて、リアルな関係性をつくっていくことが大切なんだと思います。
治田 いいですね、地域で本当にやりたいことと出会うための仕掛け、市民参加の仕掛けとして。
ローカルジャーナリズムとは/持続可能なローカルメディアを作り上げて行く上で
治田 先ほどの質問にもつながるのですが、ローカルジャーナリズムというものがこれからは大切になってくると思っています。
大きなメディアはあたらしいもの、ニュース性があるものしか取り上げない傾向がありますよね。目新しく、一見インパクトの大きそうな事柄を優先してしまうというか。本当に地域で大切なことは、地道に一歩ずつ継続されて、はじめて形になっていくことがほとんど。
そういった小さくても、その地域にとって非常に大切になってくるものこそ、その地域で暮らしている人が取材し、同じ地域の人達に発信して、そしてその情報を地域で判断・評価していく。そういったことを1つ1つ積み重ねていける地域こそ、豊かな地域になっていくのではと思っています。
北原さん はい、そういった視点を大事にしていきたいですね。
今回もあえて“ローカルジャーナリズム”というタイトルにしたのも、自らの考えに忠実に行動出来る人、軸をしっかり持っている人を講座を通じて育てていけたらと思っています。
軸というのは、例えばクライアントの顔色をうかがって取材をするのではなく、私たちが暮す地域だからこそ、そしてこれからも暮らし続けていく地域だからこそ、自分自身が大切だと思うことを、広く読者に問いかけていく、そんな記事を書ける人に。
治田 そうですね、現在インターネットも含めて数多くの情報が飛び交う中で、その情報をきちんと精査して判断出来る人が増えていくことが、本当に持続可能な地域に変わっていく大切なステップだと感じています。
そういったことにつながる、講座にしていきたいですね。
北原さん はい、そこを目指して頑張りたいです。
今回はローカルメディアのライターになりたい!という人向けというよりも、自らローカルメディアを作りたい、運営したい!という人達向けの講座になっています。
ですので、ジャーナリズムだったり“軸”みたいなものが、本当に大切になってくると思います。やはり事業として継続させていくには、お金という部分でも回る仕組みにしないといけない。その場合、地域の個人はもちろん、企業との連携も必要になってくると思います。
どういったスタンスで、どういったことを発信していきたいのか?ローカルメディアとしてのあり方をきちんと持ち発信していくことが、結果的に共感や仲間を呼び、持続可能なメディアとして継続されていくということに必ず繋がってくるでしょうから。
ローカルジャーナリズムがこれからの地域には大切になってくるはず、と話す治田。大きなメディアには載らない、小さいけれど継続的に実践している地域にいる人達にこそ、目を向けていく必要があるのではと。
治田 そうですね、今子育てしながら悶々としている女性達に参加していただけたら。
そういった方々がアクションを起す1つのきっかけとなれれば、嬉しいです。
今回はマスマス初の午前中のデイタイムに実施する講座。尚かつ託児サービス付き(※別途有償となります)という、本当に新しい取り組みです。
地域で何かカタチヅクリたい。出産子育てを機に、もっと地域と関わって行きたいという方々に参加していただけたら。講座の後はマスマスで毎日オープンしている『まちなか社食』で、地産地消のお野菜を使ったランチ交流会付きという。こちらも楽しみですね。
北原さん 私も尊敬するジャーナリストの木村さん、食の分野でさまざまな取り組みをされているフードフォトグラファーの新田さん、リズムーンというこれからの女性の働き方に着目しながら、フリーランスの方々を取材し発信されている小野さんなど、本当に魅力的なか講師陣の方が集まってくれていますから。
※詳しいプロフィールはこちら
私自身もワクワクしています。
治田 北原さん、今日はお時間ありがとうございました!
北原さん こちらこそ。ありがとうございました!
エントリー募集中!!
それぞれの取り組みがクロスすることで、生まれた新講座。募集を開始してすぐ、これまでにないスピードでエントリーを数多く頂いています。地域でのローカルメディアの運営、ローカルジャーナリズムのニーズの高まりを感じています。マスマスではその他の講座やイベントなど、随時地域と地域を繋げ、人と人が出会う場づくりを企画運営しています。ぜひHP&Facebookのフォローをお忘れなく!本講座のスタートは2015年10月14日(水)です!
text : masanobu morikawa
photo : hiroyuki horigome
◎子どもの未来を創造するソーシャルビジネス起業講座 大きな社会変革の時代、これからの社会を創る“子どもたち”のためのソーシャルビジネス起業講座。今の時代、それぞれの子どもたちがどう未来と向き合い、成長していくことが望ましいのか、そのために私達大人はどんな場・環境づくりをしていけるのか、さまざまなテーマで第一線で活躍する起業家たちと共に考え、学ぶ全8回講座。 メインコーディネーターにもあなキッズ自然楽校の関山隆一さん、各回の講師には北原まどかさん、や青果ミコト屋の鈴木鉄平さん、一般社団法人天然住宅の井上あいみさん、おひさま保育室園長の森田千穂さん、パタゴニア日本支社 環境担当の篠健司さん、TOKYOPLAYの嶋村仁志さん、ニーハイメディアジャパンのルーカス BBさんなどさまざな分野でこどもの未来を描き実践をされている方々にご登壇いただきました。 http://socialport-y.jp/?p=3571