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地域とチャレンジする人をつなぐチャレンジショップのあり方とは。【mass×mass Cafe レポート!】

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シェアオフィスmass×massが毎月第1金曜日に定期的に開催しているトーク&交流イベント「mass×mass Cafe」のイベントレポート。
 
2019年3月1日(金)は『チャレンジできるローカルショップって何だろう?1日店長・小商いからはじめるカフェオーナーを目指すには』と題して、横浜・藤棚商店街でシェアキッチンを運営している永田賢一郎さんと、黄金町で「パンとコーヒーマルシェ」主宰している臼井彩子さんにこれから何か始めたい人たちをサポートする場づくりについて、お話を伺いました。
 
 
今回は、マスマスの取り組みである「まちなか社食」も仲間にいれてもらうべく、スタッフ森川も加わり3つの場の特徴やどんな活動をしてきたのかなど、ざっくばらんにトークを行いました。

モデレーターはマスマスのほりごめが担当。
地域や立地で売れるものは全く違う、まずはテストマーケティングを兼ねて単発で集客を実施する、運営側はできるだけ情報をシェアし、失敗のリスクをどれだけ下げれるか、などなどさまざまなテーマで盛り上がりました。
 
 

商店街を盛り上げる藤棚デパートメント
なにかはじめたい人と商店街の人たちの優しい繋がりをつくる


 
京急線戸部駅から歩いて10分ほどにある藤棚デパートメント。
100年の歴史がある藤棚商店街を盛り上げたいという思いで、永田賢一郎さんがご自身の建築事務所兼、シェアキッチンとして2018年4月につくり、運営を開始しました。
 
商店街に面した1階の空き店舗を改装し、地域の人と商店街がつながり、地域が良くなる活動をサポートするために地域に開かれた場所としてオープン。改装費などは、クラウドファンディングFAAVOで資金集めにもチャレンジし、目標金額を上回る金額が集まり達成率118%まで伸びました。
 
▶︎FAAVO横浜『地域の担い手を育むシェアキッチン&チャレンジショップを西横浜に作ります!』
 

  
 
これまでの1年間では、カフェをする人や、陶芸家による金継ぎの体験イベント、監督を呼んでトークイベントと合わせた上映会などが開催されているそうです。
また、シェアキッチンの利用者さんと商店街のお店でコラボイベントも実現しているんだそう。
  
 
リアル店舗をはじめるには、さまざまな障壁があり、事業に専念したいタイミングに様々な手続きや初期費用などが発生します。。
永田さんはこれから商店街でお店をはじめようとしている人に一歩踏み出すハードルを下げるためにシェアキッチンを運営しています。
 
「いきなりお店をはじめようとすると、初期投資もかかる、エリアについても詳しく調べ得る必要がある。藤棚デパートメントは、そこをサポートしつつ、商店街でなにかはじめたい人と商店街の人たちを優しくつなぐようにしています。
商店街と藤棚デパートメントで新しくお店をはじめる人の交流を意識して、互いが知り合えるきっかけづくりをしています。」

 
また、1年間の運営のなかで想定していなかった変化も少しずつ起きていると言います。
 
 
「当初は商店街にお店を出したいけど、まだ実績がなかったり、自信がないという人たち向けにチャレンジの場としての活用を見込んでいたけれど、初めてみると、小学生から主婦、地域の人まで、幅広く利用したいという声が届いています。
これまで商店街になかった環境や活動が生まれているのは嬉しい誤算です。」

 
 

黄金町 パンとコーヒーマルシェ
地域に魅力的なお店を増やしたい。


 
続いてお話いただいたのは、黄金町を拠点に食にまつわるマルシェやイベントを企画運営している臼井彩子さん。
 
もともとは、2008年に学生として地域のまちづくり活動として始まったプロジェクト。
ここ最近、アートでのまちづくりが盛んになっている黄金町エリアで、月に1回定期的に開催しているマルシェや、年2回「パンとコーヒー」に特化したマルシェを行なっています。
会場の外では、広場で買ったフードをその場で食べられたり、ステージとして催しものが行われていたりするそう。
 
 

 
 
そもそも、なぜマルシェをはじめたのか。
それは、臼井さん自身が、一度カフェをはじめたことがあり、そのなかでマルシェへの出店もたくさん経験したからだそう。
現在は、運営側として、当時の経験を活かしながら地域を盛り上げるという視点で運営されています。
 
「継続してマルシェを開催しているうちに地産地消に取り組んでいるお店や他のイベントに参加している人たちからも出店してもらえるようになりました。
私は、地域に素敵なお店が増えることが地域活性につながると思うので、食にまつわるお店の魅力を伝えるためのイベントも増やしていきたいと思います。」

 
 

mass×mass まちなか社食
チャレンジしやすい場づくり


 
最後に、「まちなか社食」の紹介をマスマスの森川からしました。

月曜日から金曜日まで、シェアオフィスmass×massの入居者や周辺地域で働いている人向けにお弁当を販売。若葉町で仕出し弁当をさんである「うお時」さんがイートインできる販売スペースを探していたことがきっかけで、2014年からスタート。
現在は、横浜の水源林である山北町の間伐材でつくられたワゴンでの販売もスタート。
 
 

▲このワゴンの製作には、本日のゲストの永田さんも関わってくれています。
 
mass×massのチャレンジショップはうお時さんのお弁当が売られている隣で、これから飲食店やお店の開店を目指しているひとがお試しで販売できるスペースになっています。
 
「チャレンジショップはうまくいく人もいかない人も当然いますよね。それくらい飲食業は大変だと思っています。だからこそ、失敗も含めてシェアしながら、利用者さんとの対話を通してこのまちなか社食をより良い場にしていきたいと思います。」
 
 

運営側のディレクションが大事。
地域とチャレンジする人をつなぐチャレンジショップのあり方とは。


 
 
ここからはマスマスのほりごめが加わり、4名でクロストークを展開しました!

ほりごめ  藤棚デパートメントはオープンしてから1年になるんですね!永田さんはどのような視点で運営をされていますか?
 

永田さん  飲食店を始めようとすると、家賃だけじゃなくて食器や什器とかも揃えなきゃいけなくて、ハードルが高いんですよね。藤棚デパートメントは、そういうのをまずはこちら側が用意してあげて、まずは商品づくりやお客さんとのコミュニケーションに専念できるようにしています。

まずは、小さくはじめて、小さい成功体験を積み重ねてもらう場にできればと思っています。
 

臼井さん  私たちもマルシェでは、はじめて出店する方も多いので、個別に連絡をとってどういう商品を売ったら良さそうか、どんな売り方ができるのか相談にのるようにしていますね。
出店料も低めにしているので、はじめるハードルを下げるようにしています。
 

ほりごめ  マルシェには宣伝として出店しているお店も多いですよね。そこで利益出すのは難しいけれど、新しく知ってもらったり、お店同士でつながったりできるところにメリットを感じている人も多そうです。
そういう視点で、藤棚デパートメントはどのように活用されていますか?
 

永田さん  これから初めてお店を出そうとしている人、すでにお店をやっている人でも次の店舗を藤棚周辺で検討している人ですね。
 

ほりごめ  まちなか社食はオフィス街にあるので、土日は閑散としていますが、平日はお昼に100食近くお弁当が売れているので、まだ集客に自信がない人もその隣でチャレンジができるというのはメリットの一つかもしれませんね。
 

森川  まちなか社食はランチだけなんですよね。お昼のお弁当だけなので。ランチとして食べられるものは相性が良いです。一方で、ここに来る人が何を求めてきているのかを見れば難しい商品があるんだなと。それはオーナーが声がけしてあげる必要がありそうですね。
 

 
 
ほりごめ  実際にお客さんと対面で販売することで、実店舗をつくる前に人気商品やコミュニケーションのコツをつかめると良いですよね。
黄金町のマルシェにはどんなお客さんが多いでしょうか?
 

臼井さん  もともとは地元の人や、地域活動に関心のある人がおおかったのですが、最近はご家族で来てくれる人たちも増えていて、子供が楽しめるアート系のワークショップも開催するようになりました。
チラシにはお店の情報も掲載しているので、直接店舗へいくお客さんも増えていて、良い流れができて来ていると感じています。
 

永田さん  藤棚デパートメントは、週末はスイーツが大好評で。住宅地なので、週末はお家でゆっくりする人が散歩ついでにコーヒーを飲みに来てくれています。
平日は、商店街で働いている人が、ランチを食べに来てくれていますね。
 

ほりごめ  週末と平日で利用者さんが分かれているんですね。
最初に地域を盛り上げたいとお話があったので、次はみなさんが地域にどんあお店を増やしたいのか聞いてみたいです。
 

永田さん  平日にお店をやるひとを増やしたいですね。ランチのニーズが高いことがわかったので。
また夜は、30〜40代の方が友達と飲みに行ける場所が少ないので、そこを開拓してみたいです。
 

臼井さん  黄金町は野毛の先にあって、飲み屋が多いのが現状でした。そんな中、マルシェをすることで、パン屋さんとか、カフェができはじめていて。新しくできたお店を地元の商店街の方にも知ってもらって、みんなで応援する雰囲気づくりをしていきたいですね。
 

ほりごめ  はじめやすさのハードルは下がってきていると思いますよね。それぞれのスペースでどんな人にはじめてもらいたいですか?
 

臼井さん  まちの飲食店は地域から愛されないと続けていくのが難しいし、地域を好きになれるか、地域の人との交流できるかが大事です。マルシェに出店する人も、地域に興味を持っている人が多くて、常連さんも増えてきています。
なので地域が好きな人に来て欲しいし、どこに出店するのかも意識できるといいかもしれないですね。
 

 
 
永田さん  やはり商店街に目を向けられる人がいいですね。藤棚商店街の空き店舗に新しいお店が増えるといいなと思って運営をしているので、良いシナジーが生まれると嬉しいです。

一方で、チャレンジショップは始めやすい分、やめやすいので。そこの覚悟はしっかり持ってできると良さそうです。
ふらっときた近所の人にも楽しみにしてもらうような繋がりを作っていけるといいですね。
 

森川  いまの話の中で、チャレンジショップを開くとチャレンジしたい人はいらっしゃるかもしれないけど、続かないと意味がないから、ただチャレンジを焚きつけてるだけだと良くない。運営側がしっかりサポートしていかないといけないなと。

この地域、場所だったらどういうニーズがあるのか、どういう人がいるのかを伝えて行かないと。
 

永田さん  商店街は誰でも来てくれれば活気付くわけではなくて、商店街の方向性とお店の方向性が合わないと、うまくいかないケースもあります。そこは運営側のディレクションが大事なと感じています。
 

臼井さん  黄金町のマルシェをはじめたころより、出店者もお客さんもすごい増えていて。スタートの時に、地域のリサーチをかねて出店するのはいいと思っています。自分がカフェをやってみて、難しいことも分かっているので、応援したい気持ちが強いですね。これからはマルシェ以外にもいろんな取り組みをしていくつもりです。
 

森川  やるべきことは見えてきた感じがしますね。まちなか社食が提供できる価値はランチしかないので、そこからどんなチャレンジがしたいのか。そういう人たちと一緒にできるのが楽しみです!
 

ほりごめ  みなさん、今日はありがとうございました!
 
 

 
 
 

関連情報:
・YONG architecture studio:https://www.yong.jp/
・藤棚デパートメント:http://fujidanadp.com/
・はつこひ市場:https://hatsukohiichiba.wixsite.com/hatsukohiichiba/
・まちなか社食:リンク

 
 

マスマスカフェとは

massmasscafe2015

横浜のコワーキング・シェアオフィスを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社が、毎月第一金曜日に開催するトーク&交流イベント。毎回あたらしい価値を創造しているクリエイターや起業家をお招きして、これからの時代を切り開くためのアイデアやマインドのヒントを探るナイトパーティー。
この横浜・かながわであたらしくビジネスをはじめたい人、課題を解決するブレイクスルーを求めている人、一緒にプロジェクトを始める仲間が欲しい人等、沢山の人が集う場です。もちろんマスマスに入居を検討している方も、毎回ウェルカムです!是非遊びに来て下さい。

イベント情報はFacebookページでも発信していきます!:https://www.facebook.com/massmasskannai/