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ローカル企業と保育園がつくる地域の理想的な子育てのあり方とは【mass×mass Cafe レポート!】

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皆さんは、今話題の企業とコラボした保育園(企業主導型保育)ってご存知でしょうか?
 
横浜市は待機児童ゼロを目指して様々な施策をおこなっています。
待機児童の増加は全国でも共通の問題となっており、内閣府は企業主導型保育を推進しています。
 
コワーキングスペースmass×massを運営する私たちが、毎月第1金曜日に素敵なゲストをお迎えして開催しているトークイベントmass×mass Cafe。
7月は、横浜と湘南エリアで“森のようちえん”として、保育事業を展開しているNPO法人もあなキッズ自然楽校の関山隆一さんと、株式会社ワクワーク・イングリッシュ代表、慶應義塾大学特任助教で、フィリピンでの保育園設立にも取り組む山田貴子さんをお招きしました!
 
 
お二人には、『ローカル×保育』をテーマに地域の資源を最大限に活かしながら取り組む保育の魅力についてたっぷりとお話いただき、50名近く集まった参加者の皆さんとさらに議論を深めていきました!
 

◆ゲスト1
関山隆一さん
1971年神奈川県生。1998年ニュージーランドに渡り国立公園にて現地ガイドとして働く。その後パタゴニア日本支社を経由し、2004年に帰国後アウトドアオペレーターの事業を立ち上げ、2007年NPOもあなキッズ自然楽校設立(2009年法人化)。森のようちえんや自然体験活動を通して、長期的な子育て支援環境の確立及び地域に根差した実践を行っている。現在、NPO法人森ようちえん全国ネットワーク連盟 理事として日本の森のようちえんの普及活動に力を注ぐ。
◎もあなキッズ自然楽校:http://moanakids.org/
◎ちがさき・もあな保育園:http://chigasakimoana.com/

 

◆ゲスト2
山田貴子さん
1985年、神奈川県湯河原町生まれ。2009年、慶應義塾大学環境情報学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程在学中の2009年に株式会社ワクワーク・イングリッシュを設立。フィリピンの貧困層出身の若者とともに、援助する・されるの関係ではなく、プロフェショナルな仕事を通じ、生まれた環境に関係なく、誰もが自分の心のワクワクに正直に未来を選択できる社会を目指し、オンライン英会話、コミュニティカフェ、美容院など、さまざまな事業を立ち上げる。2019年3月の開校を目指し、フィリピンセブ島のスラム街にて、ワクワークラーニングセンターの建設中。2012年、世界経済フォーラムによって20代、30代のリーダー、グローバル・シェイパーズに選出される。
◎株式会社ワクワーク・イングリッシュ:http://wwenglish.jp/

 

地域ローカルの企業と繋がりながら、保育園づくりから楽しむ


 
ニュージーランド国立公園で自然案内の仕事をされていた関山さん。
当時から子どもに関わる仕事をしたいと考えていたものの、具体的になにをしたらいいか模索していたといいます。
 
そのなかで、レイチェル・カーソンの名著『センス・オブ・ワンダー』を読んだことが、「次の世代に残せるものは何か」を考えるきっかけになりました。
そして、帰国後、2007年にNPOもあなキッズ自然楽校設立。子供たちのために持続的な社会づくりへのアクションを起こしていきます。
 
 
マスマスカフェで、関山さんは運営している保育園のユニークなポイントを2つ紹介してくれました。
1つ目は、認可外保育施設として運営を続けているということ。
認可外なので、理想的な保育のあり方を追求することができる一方で、国や自治体からの補助が受けられないというデメリットもあります。
もあなキッズ自然楽校の園舎を大きくする際は、クラウドファンディングを活用して、神奈川県産の木材を使用し内装を整備しました。
【→森のようちえんを全国に広めたい!横浜に国産木材を使った園舎をつくる!|FAAVO横浜】
 
2つ目は、園庭のない保育園を運営しています。
関山さんが考えている保育は、保育園のなかにとどまるのではなく、地域で子供たちを育てるというものでした。
 
「私たちは、横浜でも大磯でも、園庭のない保育園を運営しています。
それは、地域の海や森といった自然、そして文化や歴史を取り混ぜた保育をしていきたいと考えているからです。
そして保育園自体も地域の方々に関わってもらえるよう、セミナーや教室、子ども劇場なども行い、保育園だけではない場作りをしてきました。」

 
 
そして2018年11月、茅ヶ崎にある熊澤酒造とタッグを組み、企業主導型の保育園開設へ向けて動き出します。
関山さんは企業主導型保育園について、CSRとして協賛してもらうだけではなく、企業が目指している未来に自分たちも共感できるかどうかが大事といいます。
 
「熊澤酒造は、会社の理念が環境に対する配慮だったり、ローカルに対する思いが私と似ているところがありました。

また熊澤酒造だけでなく、ローカルの企業と繋がるのも大事だと感じているんです。
小田原産の木材を使ったり、木工屋さん、デザイナーもローカルのつながりで面白くやっていく。
そうすることで、自分たちのオリジナルのものができるし、保育園をつくるとこからワクワクできてすごく楽しいんです。」

 
 

街の中で育てる保育の場と関係づくりを目指す


 
日本とフィリピンで活動している山田さん。
当初は路上で暮らすフィリピンの子どもたちの支援していましたが、3年ほど続けていた頃、支援のあり方そのものを考えなおす出来がありました。
 
 
「路上で暮らす子どもたちと一緒に遊んでいたら、ご両親に怒られたんです。
『遊んでるせいでうちの子は今日働けなかったの。食べるご飯がないんだよ。遊ぶのならお金かご飯をちょうだい。』
これをきっかけに、今まで自分がやってきたことが自己満足だったこと気づかされました。一方的な援助やサポートではない形を模索するきっかけになりました。」

 
それから援助する・されるの関係ではなく、お互いにプロフェッショナルな仕事を通じて、一緒に未来をつくるための活動をはじめました。
現在では活動の幅を広げ、子どもだけではなく、学生や農村部でも活動を行ないます。
 
 
出産のタイミングで地元・湯河原に戻った山田さんは、日本の貧困について目を向けます。
フィリピンの貧困と大きく違うのは、目に見えない貧困で苦しんでいる子どもがたくさんいるというところ。

現在、フィリピンでの経験を活かしながら、湯河原で多世代の居場所づくりに取り組んでいます。
ユニークなところは、これから利用する人たちと一緒に場所決めからリノベーションまで行なっているところです。
 
「私は日本とフィリピンをつなぎながら、子供と若者による循環型の地域づくりをしたいと思います。地域に開かれた幼児教育の場づくり。
自分も暮らす街とつながる。保育園の中だけでなくて、街の中で地域の人たちと育てる保育です。」

 
 

 
 

クロストーク

 
後半は、mass×massスタッフ森川が加わり、3人でクロストークを行いました。
 

マスマススタッフ森川(以下、森川)  ビジネスでもイノベーションに注目が集まっていますが、どうしたら自分たちの枠を壊せるか、自分たちとは違うカルチャーに飛び込めるか、というのがテーマになっています。
保育園に園庭がないから外に出ていくというのも、価値観をどれだけワイドにできるかが大事なんでしょうね。

大磯の保育園では、すでに地域の人と助け合って保育ができている。山田さんは関山さんのお話を聞いてどう感じましたか。
 

山田さん  自分の子どもを入れたくなりました(笑)

この70年間で日本は家の中でなんでもできるようになりました。保育園でも園庭を持てるし園内で完結できるようになりました。
フィリピンでは、それができないから周りに頼ろうとしたんです。それが人と繋がれた理由かもしれないですね。少し足りないくらいが地域に開かれるポイントかもしれません。
 

森川  関山さんに企業主導型保育で、熊澤酒造さんと茅ヶ崎でやろうとしているプロジェクトについてご紹介いただきたいと思います。
 

関山さん  待機児童の問題を企業と連携して保育所をつくることで解決しようというものです。
認可外の保育所でもサポートを受けられるというメリットが目がいきがちですが、ローカルの企業と一緒に、お互いの事業が高まるような事例が出てくると良いですね。
 

森川  地域で保育をしたいひとが、ローカルの企業さんとタッグを組む。熊澤酒造さんは次の100年に残る蔵になるというビジョンがあり、地域で根付いて、次の世代にも残るような地域を生かしていくことをしたいという企業です。
そういうローカル企業と保育所がコラボレーションできるとあたらしい価値が生み出せそうですね。
 

関山さん  子供たちは、お父さんお母さんが働いているところを見られる。両親はすぐに迎えにいける。ローカルで働くよさですよね。
 

森川  mass×massの入居者さんも7割が横浜市内で暮らしています。東京ではなく、横浜で働きたいという人たちが選んでくれています。働き方が変わってくるのと同時に、暮らしかたや保育のあり方も変わっているのを感じています。
 

関山さん  時間に対する価値観を考えなおすタイミングにきているのかもしれません。
大磯では、2Fのコワーキングスペースになっていて、お母さんが1Fに子供を預けて働いています。
今後は優良な企業がいい人材を雇用するために、保育所をサポートするのもありなのかなと。ライフスタイルを大事にする企業が増えるといいですね。
 
 
 

さいごに

 
最後までお読みいただきありがとうございました!
当日は、質疑応答がとまらないくらい盛り上がりました!!
 
mass×mass Cafeは毎月第一金曜日に開催しているので、ぜひお気軽にお越しください。
イベント情報は、ホームページとFacebookで更新しているので、ぜひチェックして見てください。(SNSでフォローいただけると、いち早く情報が届きますよ!)

本イベントの感想はぜひ#massmass_eventをつけてシェアしていただけると嬉しいです。
 
次回のmass×mass Cafeもお楽しみに!
 
 

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