久しぶりにリアル開催でおこなったマスマスカフェ。
ゆるふわなトークテーマにも関わらず、たくさんの方々にお集まりいただき、主催者側もびっくりの展開に!笑
後半はたこ焼き屋台を囲みながら、ハフハフしながら語るスタイル!
今回は「これからの地域に必要な”ひと”」をテーマに、一般社団法人ローカルコワークアソシエーション(LOCO)が主催となり、奈良県東吉野村のOFFICE CAMP 東吉野の坂本大祐さん、茨城県結城市のyuinowa 鈴木哲也さん、そしてmass×massの森川正信と、コーディネーターとして対話を通じた場づくりに関わる合同会社&ante原田優香さんにお越しいただきました。
自身の活動を腸内細菌に例える質問もあり、終始笑いありの展開に!
社会がコロナで激変してから3年。
働き方、暮らしに大きな影響が与えられ、「郊外」や「地域」への注目も高まりました。
この3年を経験して、地域で必要とされる人材はどのような人なのか。
今回のイベントではプレイヤー、ひとをつなぐコミュニティマネージャー、プロジェクトマネージャー、プロデューサー….
そのどれでもあり、どれでもない役割を「ドーナツ人材」と名づけて、これからの地域に求められている人物像についてゲストと参加者の皆さん一緒に議論を進めました!
冒頭にドーナツ人材という言葉がどこから来ているのか、説明する坂本さん
なんで「ドーナツ人材」?
今回は前述のLOCOが昨年実施した2つのプログラムを振り返るミーティングを実施した際に生まれた言葉でした。
1つはコワーキングという場を立ち上げたい人向け、もう1つは生まれた場をどう活性化したいのか、人にフォーカスしたもの。
【Coworking School Camp】
【Local Community Manager School】
(メンバーは今回の登壇者と長崎県大村市のコワーキングスペース|cotoの
コミュニティマネージャー谷本雅章)
各メンバーがプログラムを振り返りつつ、それぞれの地域で実践するプロジェクトや関わりから、感じていることを共有する中で生まれた「問い」として、出てきた言葉とのこと。
奈良県東吉野村のOFFICE CAMP 東吉野の坂本大祐さんは、さまざまな地域のプロジェクトにも参画されています。
地域で活動するプレイヤー同士のハブとしての役割も期待されるローカルコワーキングの運営や地域プロジェクトに関わることで「ドーナツ人材」の重要性を実感してきたそう。
ローカルエリアで活躍する人材を俯瞰した時、その役回りとして「ドーナツ人材」を可視化してみた図
プレイヤーを中央に置いて外側の「プロジェクトマネージャー、コミュニティマネージャー、プロデューサー」の重要性が高まっているように感じています。
地域ではプレイヤーはが立場を確立しやすくなっているけど、このプレイヤー同士を繋ぐ「ドーナツ人材」はまだ仕事になりづらいし、評価されにくい、お金になりにくいのはまだまだ課題かなと
まだ「ドーナツ人材」は評価軸が明確ではなく、それだけでは仕事になりづらい現状。一方で、プレイヤーが稼げるようになって、外側へ行くのではないかという仮説も投げかけてくれました。
都市でもローカルでも、求められている役割
続いてmass×massの森川から2020年6月から開設された横浜市市民協働推進センターの立ち上げ業務に関わる中で、<協働>をテーマに様々な取り組みが行われていること、そのことと「ドーナツ人材」との繋がりについてシェアがありました。
人口370万人の横浜市でも、18区という単位の中で地域内で人と人をつなぎ、新しいイノベーションを起こすために<協働コーディネーター>という役割を定義して、ハブとなる人材を育てる取り組みをしているんですよね。
今回のテーマである「ドーナツ人材」を考える上で、ある意味<協働>をどうやって生み出すのか、まったく違うセクター同士や職能の人が繋がる場をどうでデザインしていくのか?という視点では繋がることもあるのでは。そういう意味では全ての地域、暮らしのあるエリアでそういった人材が生まれてくること、育ってくることが求められているはず。
プレイヤーを理解して、繋いでいくのがドーナツ人材
仕事で震災復興で活動していた頃の話をする鈴木さん
また、2017年にCoworking & Café yuinowaを立ち上げてから6年。現在は京都に暮らしながら、さまざまなプロジェクトにも関わる鈴木さんからは
震災復興に携わり石巻で活動しているときに、何が正しいのか手探りでやららければいけない混沌としている中で、何か形としてよい良いものをアウトプットできる人たちがやっぱりいらしゃって。
共通項的なものがあるとしたら、プロデューサー的な役割を持ちながら、誰と誰に声をかけて、どうやって進めていけばいいのか、正しい道筋を描ける人だったかと思います。それは、街の中で誰が何をやっているのか、全体が見えている人だからできること。そういった方々が「ドーナツ人材」と呼べるのかもですね
といった感想を共有いただきました。
合わせて、そういう役回りはそれ単体ではお金にならないので、やりたくてやれる人が自然と担えるのかもという意見も。
街を俯瞰できる人、プレーヤーが成長した姿
イベント後半は、会場にいらした方々とディスカッションスタイルに。
行政職員、まちづくり団体のスタッフ、これから地元に戻って地域を豊かにする活動をしたい方など、多数のみなさんにご参加いただきました。
入川スタイル&ホールディングスの入川秀人さん
LOCOの顧問でもあり、カフェを通じたまちづくりの第一人者である入川秀人さんからもコメントをいただきました。
ローカルプロデューサーと呼ばれる人たちにとって「ドーナツ人材」的な動きができないと、やっぱり上手くいかないよね。
虫の目と鳥の目、その両方を持っているからこそ、誰と誰を巻き込んで、どうチームを作ったらうまくことが運ぶのか、イメージできるからこそできること。
街を俯瞰して見れる人だよね。企業や自治体、NPOなどそれぞれの強みを理解できないと難しい。
また、実際に横浜でコミュニティマネジメント、場づくりを手がける実践者、プレーヤーの方からも感想を頂戴しました。
私はまだ全然俯瞰してみたりできないけれど、そういったことができるようになりたいし、実際そういった役割の方々に日々助けてもらって、今がある気がすると改めて思いました。
また、大学でコミュニティデザインなどを学んできた方は
今の大学ではコミュニティデザインを社会に出る前に学ぶんです。今思えば、その学びの中に体系付けられていないけど「ドーナツ人材」のような役割もあったような気がします。
でも、そういった役割を知るのと、実際に自分がそうなって地域で活動するのとでは、話が違う。
自分も早く地元に戻って、1つ1つ経験を積んで、そういった役割を担えるようになりたい。
といった感想もありました。
そのほかにも、自治体で働く方からは、そういった人材をどうやったら育てていけるのか、考えたい。企業内でも同じく「ドーナツ人材」のような人が、評価されそういった人材を生み出したいと思っていると思う、などなど、たくさんの対話がありました。
最後に
対話の中で、「ドーナツ人材」がお金になりにくいという課題と、地域の価値は10年、100年と長期的な視点で物事を見ていく必要がある中で、“旦那”と呼ばれるような地域の核となる企業の代表など、何か一定の付加価値を生み出し続ける人が担っていけると良いのかもしれません。
今回ご参加いただいた方々が、それぞれがプレイヤーとして、ときはプロデューサーとして関わってきた実体験から出てくる言葉はとても説得力がありました。
これから地域への関心はますます高まります。社会の変化の中で必要とされる役割、人物像もまた変化していくでしょう。
地域で活躍できるチャンス増えて、ハードルは下がっているようにも感じます。
改めて地域でチャレンジすることの面白さや楽しさを感じることができました!また、今回はたこ焼きを食べながらの開催で、ゲストと参加者、参加者同士が交わる光景を見て、リアル開催の良さも実感しました。
マスマスカフェは今後も開催していきますので、ぜひまたご参加いただけると嬉しいです!
女将 原田氏のたこ焼き、最高においしかったです!
また、横浜へお越しのさいは、ぜひマスマスにもお立ち寄りください!