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横浜を代表する写真家森日出夫さんに聞く、写真集「YOKOHAMA Chronology」に込める想い <後編>

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横浜の魅力が詰まった写真集をつくりたい!

スクリーンショット 2015-08-10 21.39.01

 
FAAVO横浜とは、「出身地と出身者をつなげる」をコンセプトに”地域を盛り上げるプロジェクトを応援するクラウドファンディングプラットホーム”。弊社株式会社関内イノベーションイニシアティブが事務局を担当。
クラウドファンディングとは・・・個人や企業・団体の志やプロジェクトを実現するための資金をインターネットを通じて、それに賛同・共感する人たちから集める手法です。群衆(Crowd)と資金調達(Funding)から成る造語。
FAAVO横浜を詳しくしろう!スペシャルサイトはコチラ

 

横浜で生まれ、長年横浜の街を撮り続けた写真家として、さまざまな作品を発表されてきた森日出夫さん。
そんな森さんがクラウドファンディングサービス『FAAVO横浜』という新しい手法を活用して、これまで撮りためてきた約半世紀にわたる写真を厳選、1冊の写真集「YOKOHAMA Chronology」を出版するプロジェクトに挑戦されています。今回のプロジェクトの経緯と、幼少の頃のお話を交えつつ、森さんと横浜との関係、写真集に対する想いなど、いろいろとお話を伺ってきました。場所は横浜の代表的な建物でもある赤レンガ倉庫からほど近く、万国橋倉庫にある森さんのスタジオで伺いました。
インタビューは、前編【幼少の頃・カメラとの出会い】と後編【街を写すこと・僕の全てが入った写真集】の2編でお伝えしていきます。ぜひご覧下さい!

森日出夫(写真家・アマノスタジオ)
聞き手・文=森川正信(FAAVO横浜)
写真=堀篭宏幸(FAAVO横浜)

 

写真家の前に1人の人間として

 
森川  写真に対する向き合い方は若いころから本当にストイックだったんですね。
 
  常に変化しつづけて、より良い表現を模索し続ける。この年になっても常にあたらしいことに挑戦しようと思っています。それが僕のDNAだから、親父からもらったDNAなんだと。
そういった表現の先に、あたらしい人との出会いや、素敵なものに出会えると思ってます。よく言ってるんですけど、死ぬまで現役ですね。
 
森川  表現としての写真。そんな森さんの写真へのスタンスが今回の写真集にはストレートに表現される一冊になりそうですね。
では、森さんにとって面白い時代、印象に残ってる横浜っていつ頃なのでしょうか?
例えば若いころ夜街に出て遊んでいた、みたいな時期はあったりするのでしょうか?笑
 
  僕はお酒はほとんど飲めなくて、僕の家系は1滴も飲めない下戸なんです。
そういう意味では、先輩なんかに連れられて飲みにいっている間に少しずつ飲めるようになってきた。という感じです。最初は倒れそうになりながら、必死に格好付けて耐えながら飲んでましたよ。笑
 
森川  そうなんですね、なんだか意外です。笑
でも事務所等でも沢山の人を集めてパーティーされたり、飲んだりするのはお好きな方だと思ってました。
 
  ああ、みんなとワイワイするのが好きなんですね。
いろんな職業や世代の人が集まって、交流することでいろんな知識や経験がシェアされる。
僕もそうやっていろんな街の先輩と親しくさせていただいてきたから、今の自分があると思うんです。

今度は僕が若い人たちにそういった場を作って、少しでも次の世代に引き継いでいくことが出来たら、って。
最近はそうおもってやってます。
 
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  昔天野の事務所が白楽にあって。喫茶店併設の大きな倉庫だったんですよね。そこに暗室があって。その頃は大判を現像する仕事も多くあったんですね。
その頃は仕事無い時は喫茶店に出ていって、ウエイターやってて。笑
料理作ったりして。だから今でも料理好きなんです。
 
森川  えっ、カメラマンの森さんがウエイターですか。
 
 僕は昔からすごいシャイで。人と話すのが苦手だったんですよ。今でもシャイですが。
でも、そのウィエターをやってる時に、お客さんを楽しませようといろいろ気を使って話すようになって。そういう意味では度胸が付いたというか。笑

まずはやってみよう、意外と話してみると皆さんいろんなお話持ってて楽しいなと。カメラマンだけやってたら、見えてこなかった世界かなと思ってます。
 
森川  おもしろいですね。それが実は写真の方にも生きてくると。
 
  そうですね。僕は写真を撮る時のシャッター音が昔から嫌いで。音がした瞬間に撮られている方が身構えたり、カメラを向けられただけで一瞬にして日常から非日常になっちゃう。

できるだけ、その人の日常を撮るためには、相手の気持ちを察することも大切ですし、コミュニケーションは凄く大切。
そういうこともあって、いろんな方との出会いや人と人が出会う場を大切にしてるんです。
この街の若い人がいろんな先輩にあって、知り合っていろんな情報が伝達されていく。そこから何か生まれることもあるだろうし。とにかくみんながワイワイしているのを見ているのが好きなんですよ。

FAAVO横浜の事務局があるmass×massの並びに事務所があった頃に、夜中に道路にまで人が溢れちゃって笑 あの時は大変でした。
 
 

カメラを胸の前に構えて、ファインダー覗かないで撮る

 
森川  知りたかったのですが、街の写真はどんな時に撮るのですか?
 
  そうですね、思い付いた時ですよ。仕事の合間に空を見て、「あっ、この雲の感じいいな」って思ったらカメラ持って出ていく。
 
森川  へー、その日の雰囲気なんですね。
 
  そうです。雨だろうが晴れだろうが、何か感じるものがあれば撮りにいく。
その日の横浜はその瞬間しかないですから。毎日毎日があたらしい横浜なんです。
 
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森川  昔と今とでは何か写真に変化はありますか?
 
  もちろん、随分変化してきてます。例えば沢山撮った写真の中から良いと思った写真を使うんですけど、若い頃に撮ってた写真で今見返すと、選ぶものが違うんですよね。
あの頃の自分が良いと思ったものより、今見た自分が選ぶ写真が全然違ってます。

それは、写真の見え方はどんどん変わっているから。
今は写真が読めるようになってきて、経験の中で見る目が出来て来たんだと思います。
 
森川  なるほど、そういうものなんですね。
 
  あとは使うカメラ自体も変化してますね。35mmのフィルムカメラだったり、4×5の大判カメラを持って行ったり。街でも港をとったり、商店街の風景や人など、撮影する対象によって変えてます。

さっきシャッター音の話をしましたが、カメラも一緒なんです。ファインダー覗いてパシャパシャ撮り始めると、人って意識して普段の街の風景とは変わってきちゃう。そういう時、僕は大きなカメラを胸の前に構えて、ファインダー覗かないで撮っちゃう。なんだか箱持ってる人ってくらいの印象で。その方が日常が撮れるんです。
 
森川  おお、いいですね! 驚 
ちなみにこの写真は?
 
  これは4×5です。この時代は珍しく4×5。35mm全盛だったころ。手持ちで撮って、ファインダーに入ったもの全部にピントがあうようなレンズを付けて。だからちょっとアングル低いでしょ。妙な高さになってるでしょ。胸の高さで自然な感じで撮るから、このお母さん達のナチュラルな写真が撮れてるんです。
 
森川  本当ですね、たしかに少し低い。そうやって撮られているんですねー、いや良いお話聞けて嬉しいです。
 
 

僕の全部が入っている写真集

 
森川  最後にもう一度写真集についてお伺いしていいですか?どんな写真集になるのでしょうか?
 
  冒頭でもお話したとおり、今回は “chronology/クロノロジー”ということで、横浜の風景を年代順に、年表として見れる一冊にする予定です。

空からみた横浜、過去と今。

みなとみらいがまだ出来る前、港に活気が溢れていた時代、横浜の下町の賑わい、そこで暮す人々の姿。その息づかいや街のにおいが伝わってくるような一冊になるはずです。

赤レンガ倉庫がまだ本当の倉庫だった時代。ランドマークではなく、マリンタワーが街のシンボルだった時代。
多くの人が記憶する、横浜の記憶を1冊に。

そして、もちろんですが、僕の全部が入っている写真集になると思います。
48年間の横浜、その全てを僕という人間のファインダーを通して記録した写真のみ。いろんな人が撮ったものを寄せ集めた一冊ではなくて、1人の写真家の視点を通して横浜という街を撮り続けてきた集大成の一冊です。
横浜の歴史を振り返りつつ、僕が撮ってきた横浜を楽しんでもらえたら。そんな風に思っています。

例えば海外の人がこの街を訪れた時、今の横浜を歩いた後でこの写真集を見たら、もっと横浜のことが見えてくるだろうし、もっと親しみをもってくれるんじゃないか。その時に初めて、僕という写真家がこの街を撮り続けてきた行為そのものに、あらたな価値と意味が出てくるんじゃないか。そんな風に思っています。
 
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森川  本当に楽しみになってきました。森日出夫、だからこその一冊。この写真集は本当に特別な一冊になりそうですね。
 
  ぜひ、多くの皆さんと一緒にこの写真集を出版出来たら。そう思って、ご支援いただいた皆さんの名前をすべて写真集の中に記載する予定です。
 
森川  驚!! 本当ですか、それは嬉しい特典ですね。僕も名前入れたい!笑
森さん、今日は長い間お時間ありがとうございました。また事務所に遊びにきます。

ありがとうございました。
 
  こちらこそ、ありがとう。
また今回の写真集出版プロジェクトには多くの人たちが関わってくれています。その全ての人に感謝しつつ、ぜひプロジェクト達成したいと思っています。
 
 
—————インタビューを終えて
写真に対する真摯な姿勢と、常に自身の表現を進化させようとされている森さん。
写真家として、表現者として、まったく年齢を感じさせない、少年のような方でした。
今回ファンディングする『港町横浜の魅力が詰まった写真集』、ぜひ多くの横浜の皆さんに応援いただいて、晴れて完成した写真集を手に皆さんと一緒にパーティーしましょう!
 
皆さんご支援&応援宜しくお願い致します!

森日出夫さんが携わったプロジェクト
 

・YBC(ヨコハマズ ベスト コレクション)は横浜を愛する企業の集まりであり、その魅力を多くの方に知っていただ­­くためにさまざまな活動をしています。この中で使用されている横浜の写真は森日出夫さんが撮影したもの。


森日出夫さんのプロジェクトの締切は8月31日まで。

支援は1万円から。それぞれの支援額よってリターン品が異なります。