mass×mass
2Fシェアオフィス入居者
フォトアドバイス株式会社
代表取締役社長 衣笠友壽さん
横浜関内エリアにある空きビルの1F・2Fをリノベーションしてつくられたシェアオフィス/コワーキングスペースmass×massは地域をオモシロク、豊かにしたい人たちが学べるスクールやあたらしいチャレンジをはじめたい人達が集うコミュニティプラットフォーム。50席のコワーキングスペースと30席以上ある専有空間シェアオフィス、そしてワークショップスタジオの3つのフロアを運営しています。
いままで以上に幅広い分野の起業家・スペシャリストが集い、良いシナジーが生まれてきています。
▶️【Check!】マスマスのシェアオフィスを見る!
今回はmass×massの2階シェアオフィスに拠点を構えるフォトアドバイスの衣笠さんにお話を伺いました!
2008年から写真撮影の教材やワークショップを行なっていて、受講生は全国に1万人以上います。サラリーマンとして働く傍ら事業をはじめ、年商が1億を超えた時期もあるそうです。4人目のお子さんが生まれたタイミングで独立を決意し、マスマスに入居しました。
マスマスでは入居者限定の交流プログラムいくつか行なっていますが、そのなかで「クリエイティブばる5」というのがあります。このプログラムでは、マスマススタッフからの招待制で4〜5名でそれぞれの事業の紹介とディスカッションを1時間ほどしたあとに、近くの飲食店でご飯を食べにいくというもので。
ここで、衣笠さんのアドバイスがとても参考になった!と他の入居者さんからも絶賛の声が集まっています。そんな衣笠さんにご自身の事業の立ち上げから今後について伺いました。
「これから事業を立ち上げたい!」「事業戦略に興味がある」という方には、ヒントになると思いますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
フォトアドバイスの事業が提供しているものとは
── もともと事業を立ち上げた経緯から教えていただけますか?
衣笠友壽さん(以下、衣笠さん) カメラメーカーに技術者として勤めていたときに、漠然とインターネットで何かしたいと思い、まず副業としてスタートしました。最初は細々と続けていましたが、月商が100万円くらいになっていたんですね。
そして、4人目の子どもが生まれるタイミングで育児ことや家族との時間を考えて会社をやめて独立することにしました。
最初の1~2ヶ月は自宅で作業ができていたんですが、きちんと集中できる事務所スペースが欲しくなって、家からも近い横浜でシェアオフィスを探してマスマスに入居しました。そのとき、2013年でしたね。
── 写真の撮り方についてのDVD販売をやろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
衣笠友壽さん(以下、衣笠さん) カメラの設計をしていたんですが、まだ一般には一眼レフカメラを使いこなせる人は少なくて。いまと比べてもピントを合わせるのが難しかったり、すぐに暗く写ってしまったりしていたんです。
せっかく自分が設計して高価なカメラを友人が購入してくれても、使えない状況がありました。当時はWEBにも情報が少なかったし、メーカーは新しいスペックのカメラを開発することに注力していたので、その間をつなぐものがなかったので、自分がやろうと思って立ち上げました。
── 事業のベースはそこから変わってないんですね。
衣笠さん そうですね。基本スタイルはプロカメラマンに協力いただいて写真の撮り方の教材販売やウェブ講座を開いてます。じつは、2013年は絶頂期でまだサラリーマンを続けながらやっていたんですが、年商が1億円を超えていたんです。 それで、独立しても行けると思ったんですが、そこがピークだったんですよね。
── 副業で年商1億円はすごい….そして、その先が気になりますね。
衣笠さん ちょうどマスマスに入居するぐらいのときでしたね。一方で、DVDの販売数もやや落ち込んできてもいたんです。しかし、オフィスを構えたり、スタッフも増えていて固定費が膨らんでいて。
新しい一手として、Instagramのような写真をインターネット上に共有できるサービスを開発したり、投稿した写真にコメントをつけられるようにして、SNSのなかで写真講座をやってみたり。とにかくチャレンジしていました。
── そのアイデアはどこからきているんでしょうか?
衣笠さん DVDの販売数の減りはじめていたときに、じっくり1ヶ月間、アイデアを考える時間をつくりました。当時、後のInstagramのような写真共有サービスが流行りはじめていて、その仕組みを参考にお互いの写真を見れるような仕組みを作ってみたんです。
このころスタッフと事業のあり方も再構築して「学ぶ-撮る-つながる」を軸にサービスを展開することに決めました。
1回目のテーマを「花」に設定して3ヶ月のウェブ講座を開催したら、全国からおよそ500人に参加いただきました。この講座はプロカメラマンが動画で講義をしているんですが、特徴的なのは参加者同士がお互いの投稿写真でつながれることです。自宅で写真を学んでいるうちに、いつの間にか写真仲間が拡がるところが面白いと思います。
── 教えてもらうだけではなくてアウトプットしてお互いにコメントし合うっていうことですね。
衣笠さん いまでは、プロカメラマンが写真に対して★の数で評価するようになっていて、これが皆さんから好評なんですよね。高い評価を受けた作品には何十人ものユーザーからお祝いコメントが届いたり。それ以外にも月1〜2回はオフラインで会う機会をつくっていたり、メルマガの定期購読者は10万人います。
── それはすごいですね。
事業を通して自分がどうありたいか、何をしたいか。
── 衣笠さんが事業をするうえで大事にしていることはなんでしょうか。
衣笠さん 事業をはじめるとき、最初はお金儲けから始めるんだけど、自分自身がどこを求めているかというところに向かっていくんだと思うんですよね。事業を通して自分がどうありたいか、何をしたいか。 抽象的概念が高くなるけど、そこに沿っていくと思う。
僕の場合は、「仕組みを作りたい」「みんなに喜んでもらいたい」という2つ。
前者はメルマガのシステムやSNS、講座を含めたビジネスモデルの仕組みづくり。後者は事業をやるきっかけでもあるんですが、会社を定年退職して社会との繋がりが希薄になりがちな人たちのために新しいつながりをつくりたいと思っています。
写真は長く続けられる趣味なので、いくつになっても誰かとつながれます。ぼくのサービスを通して、新しいつながりが広がり、出会える。
居場所をつくりながら学びもできるので新しい可能性も広がりますよね。だから僕は事業を通してお客さん居場所と生きがいを提供していると考えています。
── 今後、この事業をどのようにしていきたいですか。
衣笠さん いまの事業はお客さんに喜んでもらえているので続けられてきたと思っています。一方で、新しいことにもチャレンジしていきたくて。自分の得意な強みを生かしてできることは、なんでもやってみようと思っています。
なので、期間限定で知り合いから依頼されたものは全て「はい!」といって受けていて、今すごい忙しくなっています。(笑)
── おお、面白いですね、まさに新しい展開をつくろうとされていますね。
マスマスを拠点に活動していて感じていることも伺いたいです。
衣笠さん 雰囲気は明るいし、スタッフもフレンドリーで話しやすいし居心地はいいですよね。イベントスペースも使いやすくて、イベントやYoutubeの収録などで定期的に利用しています。
今後は、入居者さん同士でノウハウや知見をシェアできて、そこに来るとアクションプランをたてられるとか、そういう空間があるといいなと思います。
── そうですね!「クリエイティブばる5」もそういう位置付けとして、お互いの事業を高め合えるような時間にしていきます!
衣笠さん 自分のいままで作ってきた知見や経験を他の人と共有したりするのは、嬉しいですからね。ぜひまた参加したいです!
── ぜひお声がけします!本日はありがとうございました!
(text / photo : hiroyuki horigome)