• TOP
  • PROJECT
  • INTERVIEW
  • 【INTERVIEW】難病の子どもたちが“子どもらしく”過ごせる場を、橫浜につくる−−横浜こどもホスピスプロジェクト 田川尚登
PROJECT / INTERVIEW

【INTERVIEW】難病の子どもたちが“子どもらしく”過ごせる場を、橫浜につくる−−横浜こどもホスピスプロジェクト 田川尚登

posted:

mass×mass

2Fシェアオフィス 入居者
横浜こどもホスピスプロジェクト 代表
田川 尚登さん
 

tnt_0040

横浜関内エリアにある空きビルの1F・2Fをリノベーションしてつくられたシェアオフィス/コワーキングスペースmass×mass。地域をオモシロク、豊かにしたい人たちが学べるスクールやあたらしいチャレンジをはじめたい人達が集うコミュニティプラットフォーム。50席のコワーキングスペースと30以上ある専有空間シェアオフィスのうち、シェアオフィスはありがたいことに満室御礼。(2017年7月現在)
いままで以上に幅広い分野の起業家・スペシャリストが集い、良いシナジーが生まれてきています。
 
▶️【Check!】マスマスのシェアオフィスを見る!

 
さて、今回お話を伺ったのは2Fシェアオフィスに入居されている横浜こどもホスピスプロジェクト代表の田川尚登さん。
昨年、シェアオフィスmass×massを運営するKIIが実施しているソーシャルビジネス事業者の成長支援プログラム『YOKOHAMA INNOVATION SCRUM PROGRAM2016』を受講。このプログラムを通じて法人設立への準備をすすめ、この春からシェアオフィスmass×massに入居。事務スタッフを新たに加え、現在はNPO法人認証申請中。
田川さんが2020年までに設立を目指している「こどもホスピス」について、これまでの経緯などを含め、伺いました!
▶️【YOKOHAMA INNOVATION SCRUM PROGRAM2017は現在募集中!(7月21日締切)
 

子どものためのホスピスとは?

 
ホスピス、それも子どものためのホスピス。どんなイメージを抱きますか?
一般的にホスピスというと、末期がんの患者さんの緩和治療や終末期医療をおこなう施設です。高齢の方がいらっしゃるところというイメージもあるかもしれません。
 
では、子どものためのホスピス(小児ホスピス)とは?
 
 
やはり子どもは子どもで、小児がんや脳腫瘍などで余命宣告を受けても、まだまだ遊びたいし学びたいもの。死の直前まで成長し続けます。そんな子どもたちにこそ必要な遊びや学びを提供しながら、闘病中の子どもたちに寄り添う、それが子どもホスピスです。

子どもホスピスは、日本では大阪の「淀川キリスト教病院」(医療型)「TSURUMIこどもホスピス」(非医療型)の2つだけ。そして全国で3つ目を、ここ橫浜に設立しようという動きがあります。この活動を行なうのが、橫浜こどもホスピスプロジェクト代表の田川尚登さんです。団体もスタートしたばかり、ここから一緒にホスピス設立に向けて働いてくれる仲間と事業をすすめていきます。

田川さんは言います。
「医療の発達で以前は助からなかった命が助かるようになりましたが、いまだ小児がんをはじめ、幼い時期に発症する治療方法のない難病はたくさんあるんです。けれど、難病を持って生まれた子も、短いながらもきっと何か使命を持っているはず、何かを伝えようと生まれてきたはず。子どもは親を選んで生まれてくるとも言われていて、子どもは親を成長させるために生まれてくるのかもしれない」と。
 

 
難病を抱えながらも生まれてきた、そんな子どもたちに、短くても、楽しい時間、うれしい時間を過ごしてほしいと願い、子どもホスピス設立に動き出したそうです。

田川さんは、神奈川県川崎市出身。学生時代は、大学を休学してスペインやネパール、中南米など海外を巡ったり、卒業後はいまで言うところのベンチャー企業に就職したりと、いろいろな経験されています。
 

 
 
 
その後、印刷会社に入り、ご家族とともにごくごく普通の生活を送っていたのですが、1997年に6才の次女が脳腫瘍で余命宣告を受けます。そして半年の闘病の末、1998年に亡くなります。

すべてはこの経験が元になっています。入院中、やはり6才の子どもにとって一人で過ごす時間は不安なもの。面会時間も終わって帰ろうとする親を必死に引き留めようとする我が子の姿があったそうです。いかに子どもにとって家族といる“日常”が大切か。病魔に対する恐怖よりも一緒にいる時間を大切にしたい、そう思ったそうです。
 
 
その後、田川さんは仕事をする傍ら、2003年に難病を抱える子どもの家族のための活動を行なう「NPO法人スマイルオブキッズ」を設立します。2008年には、横浜市南区のこども医療センターの近くに、患者の家族が滞在したり、きょうだい児の預かり保育を行なう施設「リラのいえ」を開設。日本全国、さらには海外からも利用者があり、患者家族の重要な場所となっています。 
 

病気や障がいがある子どもと家族の未来を変えていく
英国型こどもホスピスを横浜に!

 
実は、田川さん、イギリスには子どもホスピスがあることを知っていたものの、日本で子どもホスピスをつくることは難しいと、半ば諦めていたと言います。

日本にも、デイサービス(日帰り)を行なう難病の子ども向け施設はあるものの、ホスピスとなると医療も必要となり、資金も人も土地も…さまざまな資源が必要になります。

しかし、あるとき元看護師をしていた方から高額の寄付をいただくことに。その方はかねてより、子どもホスピスの設立を願っていたというのです。

これは、田川さんにとって思いも寄らない展開でした。
かつての娘のように闘病をしている子どもたちが楽しく過ごせる場所をつくりたい!そうずっと思っていたことから、子どものためのホスピスをつくることを決意したのでした。

これまでホスピス設立のために準備を続けてきた田川さん。NPO法人スマイルオブキッズの活動から、さらに次の展開のために新たな団体を立ち上げ、横浜に子どもホスピスをつくるための動きが今さらに加速しています。
 
 

2015年8月、我が国にも「英国型こどもホスピス」の必要性を語り亡くなられた、私たちと同じ夢を持っていた藤沢市の元看護師石川好枝さんの遺贈をもとに募金等の設立準備活動を開始。小児がんや難病で生命の脅かされている子どもと家族が楽しい時間を過ごせる在宅支援施設「横浜こどもホスピス」の設立を行政、医療、経済、教育等の地域資源を巻き込んだ地域に開かれたコミュニティー型支援施設を2020年までの開設を目指している。
 
「橫浜こどもホスピスプロジェクト」は、これから運営や広報など、たとえばHPの更新やSNSへの投稿、各種問い合わせへの対応など、事業の拡大に合わせて一緒に事務局を担ってくれるスタッフを募集していくそう。将来的に組織が大きくなったときには、ご本人のやる気さえあれば事務局長になっていただくこともできるんだとか。

横浜でとても社会的意義深い、このプロジェクトの立ち上げに関われる機会。もしかすると難病ということで、深刻に感じる方もいるかもしれませんが、田川さん自身はとても気さくで明るい方。これからの展開がとても楽しみです。
 
 

・お話をうかがった人
 

 
◆プロフィール

田川尚登(たがわ・ひさと)
1957年横浜市鶴見区生まれ。2003年より小児医療支援活動に関わり、NPO法人スマイルオブキッズを設立。横浜市南区にある県立こども医療センターで院内コンサートなど病児やきょうだい児、家族支援に関わり、2008年募金で集めた建設資金で全国から難病等の治療に来られる付き添う家族の宿泊滞在施設「リラのいえ」を開設。「病気や障がいがある子どもと家族の未来を変えていく」をモット―に活動中。2020年までに横浜に小児がん等で治療方法のない子ども達と家族のための在宅支援施設「英国型のこどもホスピス」の開設を行政や地域の支援者とともに目指している。現在、横浜こどもホスピスプロジェクトはNPO法人申請中。
 
◎ファミリーハウス「リラのいえ」http://www.lilanoie.jp/
◎NPO法人スマイルオブキッズhttp://www.smileofkids.jp/