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【INTERVIEW】創作家 うしこさん『自分で何かをしようとしている人たちは私から見たらみんな芸術家なんです』

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mass×mass

2Fシェアオフィス「TENTO」入居者 兼 マスマスコンシェルジュ
創作家 うしこ
 

◆プロフィール
熊本県生まれ、横浜育ち。
某大学社会科学部卒業後、英国Byam shaw school of Artへ芸術留学。帰国後、人材派遣会社、ベンチャー系不動産会社にてカスタマーサポートから役員アシスタント、営業事務、マーケティング、営業企画、社内プロジェクトリーダー等様々な経験を経て、2015年退職。会社員として働く傍ら、創作家としても2011年より東京・和歌山・大阪・福岡でのアートイベントへの出展、横浜でのアーティストインレジデンス(「ハンマーヘッドスタジオ新・港区」「BankART」)にも参加。2015年4月よりコンシェルジュとしてマスマススタッフの一員に。

 

創作家として / マスマスの一員として

新しい働き方や暮らし方に注目が集まっている昨今、マスマスにも新しくチャレンジする人が学び、集える講座や地域に根ざしたアクションを後押しするようなイベントを様々行っています。そんな中、マスマスコンシェルジュの求人に応募してこられたうしこさん。聞けば、型にはまらない経歴の持ち主。一般の4大を卒業後に芸術留学、帰国後はバリバリ会社員として働きながら創作家としても活動。しかし、その職から離れることに。そして現在はマスマスにスタッフとしてジョイン。シェアオフィス「TENTO」で創作活動も続けています。バラバラに見えるいくつもの職を経験してきたうしこさんの、それらを繋ぐ根底にあるものとは何かを探ってみました。
 

自分の人生は日々、実験。何者になるかより、どう在りたいか、どう生きたいか。

ーー うしこさんの経歴を見ると色々なことを経験されていますね!
 

うしこ   常に変化していたいという気持ちがあって、「今の自分はこうだから、じゃぁこうしたらどうなるだろう」と仮説をたてて実行して、でフィードバックを得て、また次の行動をするという繰り返しをしている感じ、一人実験室ですね。このサイクルがうまく回ってるというときがすごく楽しくて、それが滞ってくると死んだお魚みたいな気分になるんです。「何かになる」だとそこで止まってしまうから。それよりは、どう在りたいか、どう生きていたいかってことを意識していますね。
 
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ーー いつ頃からそういう意識をしていたのですか?
 

うしこ   留学した時に、自分が創った作品をいくつか並べてみていたらふと気づきました。テーマは全部バラバラだったし、自分でも意図していたわけではなかったのですが、どれも「境界線の拡大」「越境」「変化する視点」のようなものが共通して現れていて、「あ、これ、私の願望が出てる」とハッとしました。元々、英国へ芸術留学したのも、それまでの自分がいろいろな既成概念や「こうあるべき」みたいなものに囚われていてそれがすごく苦しかったので、その自分の頭を縛り付けているものから自由になりたかったということがあって。なので、また何かに囚われないように、常に自分の領域を広げながら進化していきたいってことが根っこにあったんだと思います。
 

ーー 変化し続けていたいということですが、目指している目標はなんでしょう?
 

うしこ   究極の目標は、「笑って大往生」です!「私の人生やりきった!楽しい人生だった!」って笑って老衰で消えていきたいです。せっかく与えられた命と時間ですから、それを思う存分味わって生かし切って、「ありがとうございました」とこの身をお還ししたいです。
 
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自分たちの生きる社会を創り、変える行動をする人=芸術家
そういう人たちがいる場所、増える場所に対して貢献する

ーー 社会を変えたいっていう思いもあったんですか?
 

うしこ   それはたぶん、ずっとあると思います。ただ、何か違和感を感じても文句を言うのではなく、まずは自分に何ができるのかを考えるようにしています。それは何も社会という大きなものだけでなく、仕事や働き方、人間関係、自分の生活など、どれにおいても。そういうこともあって、自分が「こうだったらいいのに」と思ったことをかたちにするチカラを持ちたくて、アートの道を選んだというのもあります。

ところで『社会彫刻』という言葉はご存知ですか?
 

ーー すみません、知らないです。どういう言葉ですか?
 

うしこ   ヨーゼフ・ボイスというドイツの芸術家の言葉なんですが、留学していたときに出会ってとても感銘を受けました。自分の気持ちともフィットしていて、今の自分の原点にもなっている言葉です。彼はこんなことも言っています。

『すべての人は芸術家である』

絵画だとか彫刻だとか、いわゆる芸術作品を創る人たちだけが芸術家なのではない。自ら考え決定し、自分たちの生きる社会を創り、変える行動をする人=社会を彫刻する人=芸術家なのだ、ということだと思っています。そして私自身も、そういう「芸術家」でありたいと思っています。
 
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ーー なるほど。そういう意味ではmass×massにはたくさんの芸術家が集まってきてる気がしますね。
 

うしこ   そうですね!社会というのは大きなパズルのようなものだと思っています。それぞれの人や、ものや、存在にはそれぞれのポジションがあって、みんながその持ち場を生かせば、ピタっと全てのピースがはまるような。なので、自分以外の穴のところを「ここはお願いね」とお互いに尊重して活かしあえる。それぞれの人たちが「こうしなきゃ」ではなく、「これがやりたい!」「ここを生きたい!」という自分の素直な気持ちに気づいてそこに従ったら、うまくかみ合って回るんじゃないかなぁ、なんて夢みたいなことを考えています笑。

なので、その想いにまっすぐに生きている起業家さんやそれぞれの活動をされている方を素敵だなと思うし、そういう方たちを応援したいという気持ちがあります。
 

ーー そういう意味での芸術家が増えればいいんじゃないかと?
 

うしこ   そう!mass×massにいる人たちや自分で何かをしようとしている人たちは私から見たらみんな芸術家。そういう人たちがいる場所、増える場所に対して貢献するということは、自分の想いと通じますし、それもひとつの「社会彫刻」だと捉えてます笑。

それに会社で働いている人も、家を守っている人であっても、そこで「こうしたい」と自分の生活や環境の中で価値を創ろうとしている人は誰でもそう。
 

個のチカラがかけ合わさる/「ここ」にいる人たちで生まれるもの

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ーー 今うしこさんはTENTOにも入居されてますが、これからどのようなチャレンジをしたいとか想いはありますか?
 

うしこ   常に自分の中に色んな切り口がほしいので、異業種の人たちが集まる「TENTO」の空間はとても良いですね。なので、ここでこのメンバーでしか生まれないもの、みたいなものに興味があります。自分の作品もそうですが、その時・その場所・そこにいた人たちでしか味わえないものを創りたいという想いがあります。

私は、どちらかというと物事を俯瞰してみて、近視眼では個々のものとしてしか捉えていなかったものが実は繋がっている、ということを感じることが好きなんです。なので、きっとそういうことがここでも起きるのかなと。
 
ーー シェアオフィス「TENTO」も点と点がつながるというところからきています。自身の事業だけではなく、なにか協働や地域と関わりを持ちながら働きたいという方が集まってきてくれています。
 

うしこ   そうですね!!これまでは個の力の方がフューチャーされがちでしたが、個のチカラがかけ合わさって、さらに生まれる新しい力みたいなものとそれを結ぶものへの視点も大事にしていきたいですね。
 

ーー 本日はありがとうございました!これからも一緒にmass×massを盛り上げていきましょう!
 

(interview/photo:hiroyuki horigome)

 
 

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