この夏、8/27(土)からスタートする“ヨコハマ・イノベーションスクラム・プログラム”。
締切り迫る!8/3 & 8/10締切り
このプログラムは、マスマスを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社が実施するソーシャルビジネスを経営する8事業者を半年間“地域”全体で応援する、アクセラレーションプログラム。
横浜で活躍する起業数年目のソーシャルビジネス事業者と、横浜で働き暮らす市民の皆さんの中から“プロボノ”という新しいボランティアワークを通じて、8組のソーシャルビジネス事業者がそれぞれの課題を“持続的”に解決していけるビジネスへレベルアップするためのプラットフォームとして平成28年度ソーシャルビジネス成長支援事業(横浜市経済局委託事業)の一環として行われます。
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本プログラムのアドバイザーでもある、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授の前野隆司さんの研究室を、関内イノベーションイニシアティブ株式会社(※マスマスの運営会社)の代表治田が訪問。“イノベーション・スクラム”について、そしてイノベーションを起すために必要な事、今求められている起業というスタンスや、働くこと・プロボノについてなどなど、多岐に亘るテーマでの対談トークを行なってきました。
プログラムにエントリーを考えている方はもちろん、今働き方や暮し方について迷っている方など、多くの方にご覧いただけたら嬉しいです!
“イノベーション・スクラム”が生まれたきっかけ
治田 お久しぶりです。前野さん、この度は本プログラムにご協力、誠にありがとうございます。
前野さん こちらこそ、お声掛けありがとうございます。
宜しくお願い致します。
治田 はい、宜しくお願い致します。
前野さんには弊社が運営するマスマス(※横浜関内にあるコミュニティプラットフォーム。ソーシャルビジネスや起業創業をテーマに、スクール事業やシェアオフィスの運営など行なっている。)の開設時のオープニングイベントにお越しいただいてからのご縁です。
あれが2011年7月ですから、もう5年前になりますでしょうか?
前野さん そうですね。もう5年も経ちますか。早いですね。
お話は前野さんの働く日吉にある慶應義塾大学SDMにて
治田 あっという間の5年間でした。弊社はマスマスというシェアオフィス&コワーキングスペースの運営を実施しながら、“ソーシャルビジネス””まちづくり”という文脈で、さまざまな起業・創業分野のスクール事業を実施してきました。
おかげさまでこの5年間で900名以上の方々がこの場で学び、さまざまなアクションを横浜や神奈川、全国各地で実践をはじめています。
今回前野さんにもアドバイザーとして、ご参加いただく『ヨコハマ・イノベーションスクラム』(※web)は、2014年から横浜市経済局と一緒に企画実施してきた『ソーシャルビジネス・スタートアップ講座』(※web)がベースとなって生まれたプログラムなんです。
前野さん そうなんですね。
治田 「ソーシャルビジネス・スタートアップ講座」はソーシャルビジネスを志す方々の最初の一歩、想いがあるけどはじめ方がわからない、そんな方々に向けてわかりやすく“ソーシャルビジネスのイロハ・海外の社会的企業の動向・法人化する上で最適な法人格選び”などなど、起業・創業期のサポートを行なうプログラムなんです。
これまでに本年度も合わせると5期目(※年二回実施)に入っていて、これまでに150名くらいがこのスクールで学んできました。
このプログラムを実践してきた中で生まれた気づきを元に今回の『ヨコハマ・イノベーションスクラム』が形作られています。創業期のサポートが少しずつ結果が出始めている中で、創業から2、3年経ってあらたな“壁”に打ち当たっている、伸び悩んでいる起業家たちを、地域でもっとサポート出来たらという視点から生まれていて、我々だけでなく、多くの仲間と一緒に“地域全体”としてサポート出来る仕組みがあったらいいな、という発想から作られています。
ですので、今回はソーシャルビジネスの起業家8組と合わせて、横浜で働いていたり暮らしているさまざまなスキルを持つ皆さんを受け入れるプログラムも並行して進めていきます。最近では少し聞かれるようになってきた言葉かもしれませんが、“プロボノ”というスタイルで、地域市民が地域の課題を解決しようとしている起業家を支援する。そんなプラットフォームが『イノベーション・スクラム』なんです。
関内イノベーションイニシアティブ株式会社の代表治田。前野さんとはマスマスのオープンイベントで登壇いただいてからのご縁。
システム × デザイン思考 って何だろう?
前野さん それは素晴らしいですね。これまでの活動でさまざま取り組みをされてきた積み上げの結果なんですね。
治田 そうなんです。ぜひ沢山の方にエントリーして頂けたらと思っています。
早速ですが、まず最初にお伺いしたいのは、前野さんが大学院で行なわれている学問について少しご紹介いただいても良いでしょうか?システムデザイン・マネジメントというものが何か、はじめて聞いたという方もいらっしゃるかもしれませんので。
前野さん はい、そうですね。簡単に自己紹介も含めて。
元々キヤノンでロボットのエンジニアをしていたのですが、慶應義塾大学理工学部教授などを経て、2008年に新しくできたシステムデザイン・マネジメント ※以下SDM という新しい大学院の研究科に移りました。
このSDMには2つの柱がありまして、1つ目はシステムとして物事を見る、ということ。イノベーションというよりも着実に大規模複雑システムをデザインしましょうというのが目的です。基盤はシステムズエンジニアリングという学問なんですが、部品が何10万個とあって500人の人が10年間かけて成し遂げるような大規模プロジェクトをきちんとやっていく時に活用されるものです。
もう1つがスタンフォードのd.schoolやIDEOという会社がはじめたデザイン思考という考え方をベースにした学問です。ゼロから新しいことを考える時の”手法”やその実践について学びます。
この2つを、社会人が中心の学生たちに教えるのが私たちの大学院です。日本にも、世界でもあまりないスタイルです。システムズエンジニアリングならその為の大学院、デザイン思考ならそういった事を学ぶ学部横断プラットフォームが、他にもいろいろ存在しています。しかし、大学院という場で学問として両方をきちんと学ぶというのは世界でもここだけなんです。
治田 なんとも魅力的な大学院ですね。
慶應義塾大学大学院 システムデザインマネジメント研究科委員長・教授の前野隆司さん。さまざまな本や資料が所狭しと並ぶ研究室にてお話を伺いました。
前野さん デザイン思考は、スタンフォードで生まれた学問で、消費者(ユーザー)を観察したり、ブレインストーミングしたり、まずは簡易のプロトタイピングをつくっていったりするという、非常にクリエイティブな手法です。
私たちが教育・研究しているのは、正確には、デザイン思考ではなく、システム×デザイン思考です。ふたつを掛け合わせている理由は、従来からある大規模システムの学問にもつながるシステムという考え方を活用することで、単に起業して社長と3人くらいの従業員が事業継続するビジネスを生み出すという事のみならず、既存の企業内の新規事業で1,000億円の市場を作るというような、例えば次世代環境自動車の分野で、何か新規の事業を生み出していくようなことも射程に捉えることができます。
システマティックにも考えるし、イノベーティブにも考える。
これを、システム×デザイン思考と私たちは呼んでいます。
治田 なるほど。
前野さん 特に、システム×デザイン思考の授業「デザインプロジェクト」は、いろんな手法を実践で学びながら、ビジネスモデルを創り上げる中で、実践で手を動かし、失敗をしながら学んでいくという授業スタイルになっています。
学生は実際に企業や自治体などの今ある課題に取り組む機会を与えられて、例えば横浜市で言えば新市庁舎をどんな場にしたらいいのか、企業では東芝だったら健康機器を考えましょう、東京の都心部の大規模開発のアイデアを考えましょう、などのテーマに対し、大まかなビジネスモデルを描いて、それを提案するスタイルを取っています。
また、起業デザイン論という、実際に起業を目指す人、ないしは企業内で新規事業を起こしたい人のための授業もあります。かなり実践的なプログラムですね。
治田 今は地域でも企業内でもイノベーションが求められる時代。そういった人材が多くいる地域の未来は豊かになってくるはずです。んー、非常に魅力的な教育を実践されていて、私も学びたいくらいです。笑
環境によって行動が大きく変わる。多様な人が集う場からイノベーションが生まれる?
前野さん 我々の大学院は起業家輩出率が高いです。藤沢にあるSFCもソーシャルイノベーターなどの文脈で多くの起業家を輩出しているのですが、我々のSDMは、修了生の数は少ないものの、起業家輩出比率でいくと俄然日本一ではないかと思います。
で、どうして起業家が多くなるのかというと、社会人学生が多いという“環境”が要因になっていると思います。既に社会に出てさまざまな経験をし、実際に企業経営を行なっている人が私たちの院には多く学びにきています。そうすると、普通の学生に交じって、1代で150億円くらいの事業を作ってきた経営者や、「一部上場企業の社長やってます」なんて人も普通に交じっているんです。
そうすると、誰かが新しいアイデアを思いついて、起業したいなーとつぶやくと、『すればいいじゃん』となります。最初の立ち上げ資金いくら必要なの?それくらいなら支援してもいいよ、潰れたら潰れたでいいじゃん。という言葉が返ってくるわけです。
治田 いいですね、そういう環境!
前野さん カリフォルニアは起業がし易くて、日本はし難いなんて言われていますが、それはまさにそういうことで、起業経験者が多いだけなんだと思います。周りに起業したことのある人が居ない環境だったら、どうしたらいいかわからないし、身近に成功している人が居なければ怖くてとても起業出来ない、とういうことなんだと思います。
起業も5回やって1度成功すればいいくらいなもので、すべて成功させる必要もないですから。我々の大学院はそういった起業の成功者が身近に居るという点が、起業家輩出率を高めている一つの理由なのだろうと思います。
治田 キャンパスそのものが、多様な方々がいる環境。助言してくれる人が沢山いる環境ということですね。
前野さん そうですね、学生達にとっては良い環境だと思います。
そして、大企業の中で、そのリソースを使って、新規事業を上手く立ち上げている人も多くいます。SDMはできてからまだ9年目ですけど、すでに、修了者の中には、大企業の新規事業からスタートして、子会社化や大規模なビジネス化を手掛ける人がどんどん出てきています。
治田 スケールが大きいビジネスをしている人が身近にいらっしゃると、視野を大きく保てるというか。自然と俯瞰して市場を見れるようになったりしそうですね。
私たちはこれまでの5年はただ我武者らに、無手勝流でやって来ている部分があって、やはり教育・学問という軸がしっかりあることの魅力を感じます。
マスマスにも多様な人達が集い、さまざまな事例が生まれ、少しずつ地域や社会にインパクトのあるビジネスやプロジェクトが生まれて来ている気がしています。でも、それを体系化したり、言語化するというところまでもう少しというところかなと思っています。
前野さん “人が集まってくるところには火種がある”と言いますから、 マスマスさんもオフィスやスクールを通じて、非常に魅力的な場になって来ている感じがしますね。
治田 今回『イノベーション・スクラム』でアドバイザーとして前野さんに関わっていただくことで、SDMで学ばれた百戦錬磨の起業家の方々と横浜で活動するソーシャルビジネスの実践者とが出会い、交流が生まれるような場も何か形作れたらと思っています。
地域である特定分野でかけずり回っているの起業家にとって、まったく異業種の起業家との出会いはもちろん、システムデザイン・マネジメントで体系的にイノベーションや仕組みを学んできた方々との交流は必ず良い刺激になると思いますし、同じ横浜エリアで活躍する起業家同士の繋がりという意味でも非常に魅力的なコミュニティになるはずですから。
前野さん そうですね。例えば、我々はこれまでに長野県の小布施の町長さんと意気投合し、小布施の街でこのSDMのノウハウを地域方々や地域の企業の皆さんと一緒に実施させていただいたりしています。埼玉県の飯能市や横瀬町とも連携しています。ぜひマスマスさんとも連携しながら、何か一緒に実施出来ると良いですね。
治田 そうですね、ぜひ!
今回の『イノベーション・スクラム』では、プロボノで起業家を支える方々も募集しております。SDMの学生さんにもぜひお声掛けいただけたら嬉しいです。
【幸福の条件】と【イノベーションが生まれる条件】の共通事項?!
治田 前野さんはシステムデザイン・マネジメントで教鞭を取りながら、幸福学という分野でも活動されています。
そういった視点で、ソーシャルビジネス/地域の課題を解決するような起業家をどう捉えていらっしるかお伺いしてみたいなと思いました。
前野さん そうですね、いわゆる“幸せ”とは何か、ということを研究しているのですが、私の興味分野としては、地域の“幸せ”というだけでなく、もっと大きな世界がどうやったら幸せになるのかというところに興味があります。笑
ただ、個人があってコミュニティがあって、地域があって、日本があって、世界があるということなので、どのフェーズも大事ですよね。みんながそれぞれのフェーズで、出来る部分から実践していけるといいなと思っています。
で、幸福学がイノベーションとどう関係するか、という部分で言いますと、実は凄い発見をしたんですよ。
幸せの条件とイノベーションを起す条件とが一緒なんだということを発見してしまったんです。
治田 ええ! ぜひ教えて下さい!驚
前野さん イノベーションを起せる人は幸せになり、幸せな人はイノベーションを起せる人になるということなんです。言い換えれば、イノベーションを起せない人は不幸になり、不幸な人はイノベーションを起せない、ということでもあります。実はこの方程式に気がついてしまったんです。
治田 具体的にいいますと?それはどういうことなんでしょうか?驚
前野さん 私の研究によると、幸せの条件は4つあって、1つは夢や希望を持っていること。自己実現と成長ですね。
2つ目は人とのつながりがあるということ。
まず、この2つの条件とイノベーションを起せる条件は似ています。例えばデザイン思考という手法は、多くの人と協働して物事を考え、アクションする行為なんです。これは、今ここに居る人達で出来ること、チャレンジ可能な事を考え実践するという行為なので、身近な自己実現の実践と言えると思います。
そして、一緒に居る人達と競い合うのではなく、まったく新しいアイデアを共に考え、協同する行為でもあるので、2つ目のつながりという視点でも当てはまるんです。1人で何か答えを出そうとするのは大変ですが、協創:co-creation すればいいのです。協創という考え方自体が、1、2番の幸せの条件に当てはまります。
前野さん そして3つ目がポジティブ、楽観的であること。
で、起業家はそもそもポジティブで楽観的でないとやっていけないですよね。
ハイリスク、ハイリターンな状況を楽しめる余裕がないと起業家にはまずなれないですから。
そして先ほどの2のつながりがあると楽観的になれるんですね。
例えば友人が『大丈夫、3年やって食えなかったら俺がなんとかしてやるよ。その代わりお前の頑張りを見るよと。』といってくれれば、なんとかなるんです。
そして、高齢者もそう。もし周りに家族や頼れる友人がいなければ、お金をどんどん溜め込んで、お金を使わずに家に篭ってしまう。もし周りに信頼出来る仲間が沢山いれば、旅行にいったり食事に行ったり。もし足りなくなったらみんなで助けるからと。こういうことが、日本経済が回るようになるきっかけの1つになるかもしれないですし、そういった環境で暮らしていれば、やはり幸せを感じる機会が多いはずです。
もっというと、ブレインストーミングでは、アイデアを出す時はポジティブが大事、ネガティブはだめ、何を言っても大丈夫、と考えます。全部OKにしないと、いいアイデアは出て来ません。それはまさに楽観的であるということ。ハイリスクハイリターンの世界では、失敗もOKという環境でないと何も進みませんから。
そして4つ目が人の目を気にしない・マイペース。
いつまでも同期のアイツより年収がちょっと上、みたいなこと言っていても幸せになれない。大きな夢があって、自分は自分。周りのことや、小さなことでは一喜一憂しない。起業という行為は、周りの目を気にしてたら出来ないですね。
治田 本当ですね!幸せの条件と、イノベーションを起せる条件が一緒とは。イノベーションを起せる=起業に向いているということですよね。
前野さん はい、まさに起業家精神とは幸せの条件とも言えます。とすると今の大企業の働く環境は最悪のパターンと言えてしまうという笑。
縦割り組織の中で、大きな歯車の1つとして働く。縦割りだから多様なつながりもない。夢の実現どころか、与えられてやらされ仕事。いろんな人とつながるどころか、いつも同じ顔ぶれの中で働かざる得ない。自分らしくマイペースではなくて、組織の中で気を使いながら働く。
だから大企業で働く一般的な人達は幸せを感じにくい環境にいるのかもしれません。起業とか新規事業を立ち上げる部署の人の方が、幸せを多く感じられる、という捉え方が出来るということなんです。
ついつい安定を求めて大企業に入ってしまうと、実は、気がついたら幸せから遠ざかっているのかも知れない。そう考えると、『ヨコハマ・イノベーションスクラム』に応募してくるような方が幸せに近い、と言えそうですね。笑
治田 本当ですね。笑
先日大企業で新規事業を担当する部署の方にお会いしたんですけれど、肩身が狭くてと。
隣は20名の部署で、自分たちは2名。向こうはルーチンの仕事があって、朝から晩まで働いても終わらない、周りが仕事に追われている横で、私たちはタスク自体も自分たちで決めて、『自由で、楽しそうでいいね』と言われて、同じ空間に居る事自体がつらいという状況みたいなんです。
もう、マスマスに入居しようかなと。笑
前野さん あ、それは絶対そうした方がいいですね。大企業の中で新規事業を立ち上げる時は、一般の社員と新規事業部署との距離をとって、別な場所にオフィスを設けないと成功しない、と言われています。
業績評価も違うし、マインドも違う。新規事業をやるスタッフが楽しくやれないと、新規事業=イノベーションなんて起きないですから。気を使って苦しそうにやったって、あたらしい発想はなかなか生まれてきません。苦しそうに仕事をやったらだめなんですよ。
イノベーションを起したいなら一生懸命苦しんで学ぶというのではなく、幸せになる方法を学ぶべきなのです。
治田 そうですね、今の大企業は残業させない、余計なことはさせない。そういった方向にどんどんいってますものね。
前野さん 効率化という意味では正しいことなんですが、それによって仕事のやりがいを削ってしまっているかもしれませんね。余白となる時間を削って行けばいくほど、新規事業は生まれてこないんです。
スクラムが1つの“地域のセイフティーネット”に
治田 私自身も起業家として日々経営してますが、多くの株主の方々に参画いただいて、日々迷いながらやってます、でも“まっ、なんとかなるだろう”という感じでやってますから笑
前野さん それがまさにポジティブシンキング。イノベーションが生まれる条件の1つですね。
日本でも、大企業とか、都心部でもっと人との多様なつながりを生み出す機能や場を組み入れて行けるともっと良いでしょうね。そうするともっと働く人や暮らしている人が活き活きとしてくるでしょうから。日本の起業家自体ももっともっと繋がって行くと良いと思います。シリコンバレーなんてものすごい繋がってますよね。
治田 そうですね。この8月からスタートする『ヨコハマ・イノベーションスクラム』も、幸せの条件/イノベーションを起せる条件の1つである《人とのつながりが地域にある》ということを目指したものと言えるかもしれません。
特にソーシャルビジネス、地域や社会課題を解決したいと志す人達が、すこしでも多くのつながりをこの横浜で持ってもらえたら、イノベーションを起すために小さくても多くのチャレンジが出来るようになるはず。起業家にとって、このセイフティーネットがあることで心強い、挑戦しようと思う気になってもらえたら。本当に嬉しいですね。
前野さん はい、幸福学では、多様な知り合いが居る人は幸せ、ということがわかっています。
それが今はまさに失われているのかもしれません。FBなどのSNSでのつながりだけではなく、リアルな繋がり。
治田 そうですね。私たちは『FAAVO横浜』という“地域×クラウドファンディング”というサービスも運営していますが、クラウドファンディングに挑戦したい方のお話を聞く中で、周りに本気で応援してくれる人がまだ居ない、という状態でプロジェクトを立ち上げたいと。
いやいや、SNSのお友達が何百、何千あっても関係ありませんよと。本気で腹を割って話せる友人が何人いて、あなたの為に一肌脱いでくれる方が何人いるのか。そういう方々が周りにいなければ、絶対にファンディングも成功しないんです。
アイデアだけで、人が動くのは本当に革新的な技術を持っているとか、特別な環境が整った時だけですね。
前野さん これからは、地域から生まれてくるビジネスやアイデアに非常に可能性があると思っています。凄い成長可能性があるんじゃないかと。大企業の中から生まれてくるアイデアは、ある程度スクリーニングされています。それよりも、小さくて荒削りでも、地方から出てくるようなユニークな物の方が、可能性があるんじゃないかと思います。
治田 そうですね、そういった、地域から生まれてくるアイデアを、地域で支えて伸ばしてあげることが出来れば、未来に可能性がある地域になっていく。
そういった起業家たちのセイフティーネットの1つとして、今回の『イノベーション・スクラム』が何か役立ってくれたらと。
前野さん 本当にそうですね。
治田 今回横浜で暮らし働らく社会人の皆さんの中から、プロボノというスタイルで応援してくれる方々も募集しています。今問い合わせをいただいている中で、大企業に務めている方や行政スタッフの方々からも多くの関心をいただいています。
起業家を支援出来るのは、起業家だけというのではなく、幅広い市民の方々が地域で活動するソーシャルビジネスの起業家を支える、そんな仕組みもカタチヅクって行きたいと思います。
前野さん いいですね。知り合いが多いほど幸せなわけですから。
プロボノの体験を通じて、通常の仕事の範疇では得られない経験をすることで、自信を付けて本業にも活かせると思います。非常に前向きでポジティブな方々が集われるはすですから、楽しみですね。
治田 そうですね、私たちスタッフも非常に楽しみにしています。
前野さん、今日はいろいろお話ありがとうございました!ぜひ多くの皆さんにエントリーしていただいて、アドバイザーの皆さんに魅力的な起業家の方々をご紹介出来るようにと願っています。
本日はお忙しい中お時間いただいてありがとうございました。
前野さん いえいえ、こちらこそありがとうございました。
プログラム後半での出番を楽しみにしています。
前野隆司さん、素敵なお話をありがとうございました!わずか8枠の起業家枠 or スキルを持つ社会人の方のプロボノ枠絶賛募集中です。沢山の方のエントリーをお待ちしております!
text : masanobu morikawa
photo : hiroyuki horigome
プロボノで求められるスキルって何だろう?
今回『ヨコハマ・イノベーションスクラム・プログラム』で求めているプロボノの方のスキルの参考を下記にご紹介致します!あなたのスキルぜひエントリーシートでお聞かせ下さい!
◎デザイン:グラフィック、WEB、その他
◎広報・PR :個々のソーシャルビジネスを広く知ってもらう仕掛けづくり
◎企画・事業プランニング :価値ある事業にするための施策づくり
◎営業 :多くの方に活動を知ってもらう
◎ブランディング :付加価値の高いサービスへ
◎事務 :情報整理、活用を視野に入れたフローづくり
◎会計
◎監査
◎コピーライティング 等 さまざま 仕業の方のご参加、ぜひお待ちしております!
まだまだエントリー募集中!SB分野の起業家&プロボノに挑戦したい方、8/3 & 8/10締切り迫る!
横浜で活躍する起業数年目のソーシャルビジネス事業者と、横浜で働き暮らす市民の皆さんの中から“プロボノ”という新しいボランティアワークを通じて、8組のソーシャルビジネス事業者がそれぞれの課題を“持続的”に解決していけるビジネスへレベルアップするためのプラットフォームとして平成28年度ソーシャルビジネス成長支援事業(横浜市経済局委託事業)の一環として行われます。
▶プログラム詳細/エントリーはこちらから!