LOCAL BOOK STORE kita.主催「書くこと講座(全3回)」の第2回を開催しました。
講師は作家の安達茉莉子さん。防衛省勤務、篠山の限界集落での生活、イギリスの大学院留学など様々を経て、言葉と絵による表現の世界で活躍されています。
全3回の折り返しとなる今回のテーマは、「書いてみた! これ、おもしろいの?」。
自分が書いた文章を他者に向けてひらいていくとき、誰もが抱く「これでおもしろいのかな?」「誰が読むんだろう?」という不安。
それらを「ジャッジ(評価)」ではなく「鑑賞(味わい合う)」へと変換し、表現をのびのびと育むための視点を学びました。
誰に届くかわからないから、遠くまで届く

講座の冒頭、安達さんから語られたのは「書くこと」の本質を捉えた印象的な言葉でした。
「書いた文章は、瓶に手紙を詰めて海に流す『投瓶通信』のようなものです。まだ見ぬ『あなた』の心の岸辺に届くかもしれない言葉を流していく。身近な誰かの評価を気にするのではなく、見知らぬ誰かに向けて書く感覚が、結果として遠くまで届く文章を育てます。」
また、私たちが書きながら陥りがちな「上手く書けているか」「変に思われないか」という「自己検閲」を手放し、「今この瞬間の目の前」に集中することの大切さが伝えられました。
安達さんは、お互いの文章を読み合う際、「批評家のように評価・採点するのではなく、お互いの個性を『鑑賞』して楽しむ姿勢が大切だ」と語ります。
また、面白い文章とはテクニックがある文章ではなく、「その人ならではの視点や感じ方が表れている文章」です。自分にとってはごく普通の日常の出来事でも、読者にとっては新鮮で魅力的な物語になり得ると話してくれました。
日記を朗読しあう鑑賞ワーク

講義の後半では、ペアになって日記を朗読し聞き合うワークを行いました。
ルールはただ一つ、「相手の文章を、音楽を聴くように鑑賞すること」 。
批判やアドバイスではなく、心に浮かんだ情景や感じたことを素直に手渡していきます。
自分の言葉が届く嬉しさを感じる声が多く、「文章が受け止められる体験が、次も書いてみようというサイクルを生み出す」ことを実感する時間となりました。
また、魅力的な文章に触れた際に「良いな」と感じた表現や視点を自分の執筆に取り入れていくことで、描写力や表現力は自ずと磨かれていくというお話もありました。
次回、第3回「せっかく書いたから、読まれたい。ではどう届けていく?」に向けて

最終回となる第3回では、受講生が執筆したオリジナルエッセイの鑑賞会とともに、書いた文章を世の中に届けるための「パッケージング(届け方)」について学びます。
一歩を踏み出した受講生たちの言葉が、どんな形で芽吹き、誰かの元へと届いていくのか。次回のレポートもどうぞお楽しみに!
