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第2回は産業能率大学経済学部准教授の中島智人さん。前回の受講者の心に“火”を点ける講義から一転、今回は「ソーシャルビジネスとはそもそもどんなビジネスなのか」、その生まれてきた背景や現状についての講義です。前半は学術的な観点から、後半は世界各地の事例をビデオで見ながら、計4時間にわたりじっくり学びました。
中島智人 産業能率大学経済学部 准教授 ◆プロフィール ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で、イギリスの市民社会組織について学びました。専門は、非営利組織や社会的企業に かかわる制度や組織、その支援組織(中間支援組織)の日英比較です。神奈川県のボランタリー団体の支援制度にかかわっており、 また最近では藤沢市と横浜市で市民活動推進・市民協働推進にかかわる委員をしています。大学では、非営利組織のマネジメントや マーケティング、経営組織論を担当しています。 産業能率大学:http://www.sanno.ac.jp/univ/
市場と公共サービスでは満たされないニーズ、解決されないような課題に取り組む
冒頭、「こうでなくてはならないというカタチはないけれど、ソーシャルな事業は多様なので、自分の実現したいことが果たしてどこに分類されるのかを知り、それに見合ったやり方をすることがビジネスを持続可能にする」と中島先生。一口に、ソーシャル分野で起業するといっても、「営利企業」「社会的領域でのビジネス」「社会的企業」「ボランタリー団体」の位置づけがあります。とはいえ、何が良い悪いではない、とも講義中何度も中島先生はおっしゃいます。
そして、社会的企業を選択するとき、もともとソーシャルは市場からも公共からも外れた分野を扱うので、それなりの覚悟が必要だとも。
前半の講義で「なんだか社会的企業は大変そうだ」という印象を受けたものの、その後はアメリカやイギリスの事例を見ながら、ソーシャル分野で事業を行うということを少しずつ理解していきました。たとえば会員制マーケット。市場では取り扱われない商材を扱ったり、価格よりも品質重視で仕入れたり、またお店がコミュニティーの役割を果たすなど、会員制ゆえに実現できる価値があるという事例。一方、最近日本でよく見られる子ども食堂は、ボランティアの要素が強く、社会課題の解決という観点では、子ども食堂の運営にプラスアルファが必要だとも。
次回の講義テーマは……
『ビジネスプランの作り方① 事業計画』
中小企業診断士の市岡久典さんが講師を務めます。
初回の講義でがぜんやる気を出し、2回目は理論と事例で全体像を理解する。ここから次回以降いよいよ受講生各々がプランを膨らませていきます。