いよいよ3年目!6/15(水)からスタートする“ソーシャルビジネス・スタートアッププログラム 2016前期”。
いよいよスタート!総勢40名が受講中!
このプログラムは、マスマスを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社が実施するソーシャルビジネス分野での起業を目指す、創業支援プログラム。
横浜市経済局から委託され、ここ横浜で地域の課題をビジネスの手法で解決したい起業家を育成するための2ヶ月間の短期集中型プログラム。これまでに90名以上が受講し、10名ほど法人化。最初の一歩を踏み出すための、さまざまな必要なスキルや情報の提供はもちろん、受講生同士のコミュニティを通した起業創業プラットフォーム。
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今回このプログラムの講師のトップバッターでもあるLean Startup Japan LLC代表の和波 俊久さんと、関内イノベーションイニシアティブ株式会社の代表治田友香の対談を通じて、本プログラム全体を通じて伝えたいこと、起業や起業準備する上で求められていること、経営者として必要なスキルについてお話いただきました。
今まさにご自身で起業という選択肢を考えている、これから考えようとして方々にぜひ読んで頂きたい内容です。ぜひご覧下さい!
いよいよ今期もスタート!ソーシャルビジネス・スタートアップ講座
治田 和波さん、いよいよソーシャルビジネス・スタートアップ講座も3年目ですね、
今年も宜しくお願い致します!
和波さん こちらこそ、宜しくお願い致します。
治田 この講座も、これまで90名以上の人たちがこのプログラムを受講、10名以上の方々が法人化のステップへと足を進めています。
少しずつですが、ここ横浜にソーシャルビジネスの起業家が緩やかに集うコミュニティプラットフォームが出来はじめている“手応え”を、私たち事務局側も感じはじめているところです。
和波さん そうですね、私もいくつかの創業プログラムに関わってきていて、一番長くお手伝いさせていただいているのが2013年からの沖縄琉球大学、そしてこのソーシャルビジネススタートアップ講座が2014年からお手伝いさせていただいて。
沢山のスタートアップの現場を見てきていますが、このプログラムは“地域や社会の課題を解決するビジネス”という視点に特化したプログラムというところが非常にユニークで、僕自身も毎回受講生達のビジネスプランを聞きながら勉強させてもらっています。
治田 これまで毎年前期後期と2回、それを2014年と2015年で計4回講義をご依頼させていただいていますが、毎回内容がブラッシュアップされ、私たち自身も起業・創業を目指すステージにいる受講生たちに何を伝えて行けばいいのか、その本質に迫っていただける和波さんの講義には本当に勉強になっています。
今年の講義も楽しみにしています!
お話はマスマスのワークショップスタジオにて。第一回の講義の日の前にインタビューを実施しました。
これまでの2年間を振り返って
和波さん 毎回講義の内容をブラッシュアップさせてきているのは、他のプログラムでも感じているのですが、《事業計画書を書く》=《起業する》ことが直接結びついていかない状況が見えてきたんですね。
事業計画書という紙の上で、どんなに素晴らしい事業を描けたとしても、実現するのは難しいかなという事業は実際に起業してもうまく行かないことが多い。アプリのようなサービスは作れるには作れるんです。でも実際に、社会に貢献する=収益を上げて事業継続出来る、かどうかとはまた違う。
そういった意味でいくら良い《事業計画書》を紙の上でブラッシュアップしていてもダメなんだ、ということがわかったというのが僕自身の成長かなと思ってます。当たり前の話でもありますが。
ではどうしたらいいのか、という部分を伝えるように今はしていますね。
治田 そうですね、あくまでの《事業計画書》を書き上げていく過程で、必要最低限の経営者・起業家が持つ思考やスキルを身につけていただくというのが我々のねらいなんですが、どんなに完璧で綺麗な《事業計画書》を作っても、実際にはじめてみなければ、何もない“ゼロ”と一緒ですから。
和波さん 《事業計画書》を書くことは、あくまで起業に向けての“手段”であり、当たり前ですが“目的”では決してない。この部分をしっかり意識しておかないと、2ヶ月間の学びが本当に生きた実践的なアクションに繋がっていかないので、ぜひ受講する方には注意してもらえたらと思います。
治田 そうですね。我々もその辺りをしっかり肝に命じて、サポートして行きたいです。
和波さん ビジネスモデルを作る、事業計画書を書く、ということではなく“私の事業のどこに他社とは違う競争優位性があるのか、それをどう作れるのか”ということを、プログラムを通じてブラッシュアップしてもらえたら。
治田 ソーシャルビジネス分野では福祉や介護など、公的な財源があるものもあれば、サービスを受ける受益者はもちろん、支援者を見つけ寄付やプロボノなどのソーシャルキャピタル(社会関係資本)などからお金以外の資本を活かすことも事業の競争優位性を高めることになりますし、そういった事例をこの講座から学んで欲しいですね。
チャレンジ・起業するタイミングの見極め方 〜想いだけでは持続しないからこそ、準備が必要〜
和波さん そもそも起業するタイミング、起業していいタイミングというのは、自分の状況が他社よりも良い状態になってはじめて出来るんですよ。
《顧客リストもない》《ノウハウもない》でも“想いはある”んです! いやいや、そういう人はチャレンジしては駄目なんです。何を言っているんですか、と。
だから、創業1年目というのはそういった下準備をする時間だと思っています。
《顧客リスト》がないなら作りましょう、《ノウハウ》と呼べるものがないなら、まずは小さくてもいいから1つの実績を作りましょう、そういった基礎となるベースを創業1年目で1つ1つ作れる人しか起業してはいけないのではないか、そう思っています。
治田 私たちも講座の運営、シェアオフィス事業、そして『FAAVO横浜』というクラウドファンディングの事業を運営しています。その起案者さんにもまったく同じ話をさせてもらっています。目標となる金額を集めたい、それはわかる。でも、そのプロジェクトに共感してくれる仲間は今何人くらいいるのですか?また、まだ机上の空論的なプロジェクトに対して、誰も信頼もしてないとしたら、クラウドファンディングに挑戦する前に、まずは小さくプロジェクトを進めて、実績を作って来て下さい。
そう話すようにしています。
まだまだ、クラウドファンディングに挑戦出来る土台に無い方もやはりいらっしゃるので。
和波さん そうですね、何もないなら起業はまだ少し先。もっと準備すべきことを、やってからチャレンジしましょうよと。
治田 そうですね、やはり1人でも顧客となる人と対峙して試行錯誤してきた人とアイデアだけで語る人とでは大きな差がありますから。小さくても現場を知っていること、現場を持っていることが、ベーシックな部分での必要要素ではないでしょうかね。
そういったことも本講座を通じて、学んでもらえたら嬉しいですね。
起業家と呼ばれる人をもっと増やすために
和波さん 話は変わりますが、僕の今の目標はもっと“起業”を身近にする。起業を科学したい、と思ってます。今度あたらしく自分でプログラム(※詳しくはこちらをクリック)をスタートさせる予定ですが、そういったことをもっともっと広めていけたらと。
生まれながらにしてビジネス出来る人はいないですよね。アメリカでは小学生くらいがまずは夏休みにレモネードを販売する、という経験から少しずつビジネスというものが身近になっていく。
じゃあ日本はどうなのか?学校で起業という概念を学ぶ機会があるのか?あったのか?
日本の高校生にどんな機会や話をすれば、起業を人生の1つの選択肢として身近に出来るのか?仮設を立てて、検証していく。そういったことをもう3、4年やって来て今があるという状況です。
治田 たしかに、起業は中学・高校等では学ぶ機会ありませんね。
和波さん 数学の授業があるように、起業の事業が義務教育の中で行なわれる。そうなったら、日本の未来はもっと明るいんじゃないか。笑
そんな風に思っているんです。
治田 なるほど。
和波さん その為には起業か科学されていて、僕のような人が全国に各学校に1人いる、そんな状態を作れたらと思っているんです。
治田 そうですね、起業を伝える・教える人の裾野が広くないと。今私たちがやっていることも、必ず未来の社会に役に立つ事だと思いますし、ぜひ継続していろいろなチャレンジをしていきたいです。
和波さん 本当の意味での起業家を増やすということは、やはり実際に行動してトライ&エラーの中で経営スキルを伸ばし、他社とは違うオリジナルの競争優位性を常に考え、生み出せる人を増やすということ。
ずっとパワーポイント触って、プランのブラッシュアップをいつまでも行なっている人を増やすのではなく、体験を通じて、実際に起業を通じて成長し続ける人をもっと多く生み出していけたら、僕は嬉しいですね。
治田 そうですね、和波さんには講座トップバッターとして、毎回数多くの受講生が背中を押してもらっています。私たちもここ横浜で、さらに豊かな起業家コミュニティを作っていくことで、真の起業家と呼ばれるような実践者を数多く生み出して行きたいと思っています。
そして、そういったコミュニティが存在している場所は、身近に相談出来る先輩やメンターがいて、仮に失敗したとしても小さくつまづく、大怪我をするような転び方をしない人たちが集っている。
そんなコミュニティをここ横浜に生み出していきたいと思います。
和波さん、3年目も宜しくお願い致します!
和波さん こちらこそ、宜しくお願い致します!
text : masanobu morikawa
photo : hiroyuki horigome