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エシカル分野でトップランナーのHASUNA白木夏子さんに聞きました! 【マスマスカレッジ レポート!】

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mass×mass collegeは、あたらしい価値を生み出している方々と一緒にこれからの時代に大切になってくるエッセンスを学ぶためのスクール。今回の『エシカル』をテーマにしたスクールでは、社会貢献につながるプロダクトを取り揃えたお店づくりや消費のあり方について、実践者の方々のお話からこれからのお店づくりのヒントを探って行きます。こちらは連続講座ですが、単発での受講もできるので、興味のある方はぜひご受講ください!
 

第2回 9/15(金) 19:00 〜 21:00 『地域に根ざしたこだわりのお店づくりとは?』
第3回 10/13(金) 19:00 〜 21:00 『広がるユニバーサルデザインの可能性を体感しよう』
第4回 11/17(金) 19:00 〜 21:00 『福祉×ものづくり 障がい者作業所の商品開発の今』
第5回 12/8(金) 19:00 〜 21:00 『みんなでつくろう!横浜エシカル・キオスク』

▶︎プログラム詳細はこちら!

 
コワーキングスペースmass×massのおひざ元である横浜で、エシカルなお買い物やお店づくりについて学び合うことを目指す横浜エシカル・キオスク勉強会。第1回は、日本のエシカル市場をつくったパイオニアのお一人でもある、エシカルジュエリーブランドHASUNA創業者CEOの白木夏子さんにお話いただきました。
 

 

消費者と企業の意識を変えるのはビジネス

 
エシカル(ethical)とは、人や社会、自然環境に配慮した商品やサービスのこと。認証などはないので漠然としているイメージがあるかもしれませんが、英国では15年ぐらい前から認知されていました。例えば、オーガニックコットンやリサイクルプロダクト、フェアトレード、貧困層の女性がつくったアクセサリーなどは「エシカル」だと言えます。
 
エシカルジュエリーという、日本では当時未踏だったマーケットを開拓していかれた白木さん。繊維街として知られる愛知県一宮市で育ち、デザイナーを志して上京した母親の影響を受けて、小さい頃からずっとものづくりをしたいと考えていたそうです。大学の時に、世界の飢餓、不平等、暴力の現場を目撃してきたフォトジャーナリストの講演に影響を受け、こうした問題を解決したいと、国連、NGOで働くことを目指して留学。しかし、机上の空論に思えてインドへ行ってみたところ、カースト制度の外に置かれたいわゆるアウトカーストの人たちの生活ぶりに衝撃を受けたそうです。学校行けない、行ってもまた鉱山に戻って働かされて死んでいく―—。こうした問題に対して、いかに自分は役立たずなのかと苛立ちながらインドを後にした経験が、のちのHASUNA誕生の原点でした。
 

 
白木さんがインドで目にした光景は、実はインドだけのものではありません。世界では約2000万人が鉱山労働に従事し、そこで採掘された鉱石類がジュエリーやパソコン、化粧品パウダーに使われています。この現状を変えるためのソリューションは2つ。消費者の意識を変えることと、企業の意識を変えること。白木さんは、国連でのインフラ整備ではなく、ビジネスの仕組みを変えることが必要だと考えるようになった。信頼出来る鉱山、研磨会社とつながってジュエリーをつくることで、鉱山労働者を救えないかと考えてHASUNAを創業されました。
 
では具体的に、HASUNAのビジネスは鉱山労働や宝石づくりの現場をどのように変えているのでしょうか。
 
例えばパキスタン。鉱石類の約9割が密輸されるので、利益が出ないため、鉱石の研磨工場では借金が返せずに経営者が自殺するケースが後をたたないそうです。そこでHASUNAが鉱石を適正価格で買い取って、研磨工場の女性たちに研磨技術をトレーニングし、研磨石を再び買い取ってジュエリーを制作しています。
 
また、ペルーでは難民が運営している金鉱山から鉱石を調達しています。小規模家族経営の鉱山が多く、鉱石の精製時に水銀を使って中毒を起こしていました。このため、HASUNAが入って水銀の使用をなくし、労働環境の安全性を強化することができました。
 

 

「エシカル」を飛び出してさらに大きな海へ

HASUNAを創業した当時の白木さんは、エシカルって何ですか?といつも聞かれたそうです。しかし今では、ファッション業界ではエシカルはかなり知られるようになってきたと言います。

その分エシカルであることを打ち出すだけにとどまらず「もっと広いマーケットにリーチしていきたいので、ウェブサイトやカタログ、メディアで発信する際には、エシカルを前面に出すか、あるいはジュエリーのデザイン性をもっと打ち出すかについて常に模索している」(白木さん)——というお話しには、既にエシカルなお店やブランドを運営している方々や、これからという方々は一様に大きく頷いて聞き入っていました。
 

 

 
白木さんのお話しの後は、参加者の皆さんにとってのエシカル消費に対する考えを共有するために「私は普段、〇〇については××なお店で買います」「それを買う時に意識していることは?」ということを書き出していただきました。
 
また、皆さんが他の人におススメしたいものを、どこで買えるかも含めて出し合ってもらいました。同じオーガニックコーヒーでも、安く手に入りやすい大手スーパーで買う方、国際協力NGOから買っているという方など、エシカルなお買い物に際しての人それぞれの動機やこだわるポイントの違いがよく出ていました。
 

 

 
 
この講座では、毎回エシカルなお土産をご用意しています。この日は、ファシリテーターの木村がセレクトした“てんとう虫チョコ”。 児童労働撲滅の国際NGO である、認定NPO法人ACE(エース)のガーナ産オーガニックチョコです。
 
エシカルをうたうブランドが色々と増える中、「こんなのもエシカルじゃない?」と参加者の皆さんとご一緒にドンドン広げていきながら、エシカルな消費やものづくりのあり方を再定義していけたらと思っています。
 
 

次回は9月15日金曜日!


 
次回9月15日金曜日の第2回は、東京・早稲田で地域に根ざしながら全国のいいものだけを扱ったスーパーを営むこだわり商店・店主の安井 浩和さんにお話いただきます。エシカルとローカルが出会うとどのような場が生まれるのか、地域がどう変わるのか、お聞きします。ぜひご参加ください。
 
▼参加申し込みはこちらの下方、エントリーフォームより!
http://massmass.jp/project/ethical_school2017/

 
 


 
 
text  きむら・まき
photo  ほりごめ・ひろゆき