2018年3月3日に「ヨコハマ・イノベーションスクラム・プログラム」の成果発表会を行ないました。
あらためて、ヨコハマ・イノベーションスクラム・プログラムとはーーー
私たち、関内イノベーションイニシアティブ(通称:KII)が横浜市より受託しているソーシャルビジネス成長支援事業。講義、アドバイザーのメンタリング、プロボノによるサポートなど盛りだくさんの伴走支援を起業家の皆さんにおこなってきました。
メンタリングや期間中にアクションを起こすことで見えてきたこと、そしてそれらを踏まえ、さらなるステップとして計画を練ったり体制を整えたり。それぞれが成果を出すべく邁進してきたこの6ヶ月間。ついに迎えた成果発表会となりました!
会場は、関内駅前にあるリスト関内ビルList Link Lounge。
各プレゼンターによる熱のこもったピッチの様子をレポートします!
横浜を舞台にソーシャルビジネスに取り組む起業家によるプレゼン
「横浜から発信!ソーシャルビジネスの5年先の未来を描こう」と題した成果発表会には、プログラムにこれまで関わりのあった方だけでなく、起業家の取り組む社会課題や分野に関心を寄せる方や、プロボノに関心を持つ一般の方など、昨年同様たくさんの方にご来場いただきました。
審査会から事業者を見守ってきたアドバイザー4名も揃い、一人一人の起業家のプレゼンに対して、アドバイザーもプロボノも事務局スタッフもそれぞれがコメントを寄せました。まさに起業家とともに皆が“スクラム”を組んで成果を導いた6ヶ月間だったことが伝わったのではないでしょうか。
魅力あふれるサカエ(栄区)の未来づくり / SAKAE Next Project
SAKAE Next Project代表の泉光太郎さん。
学生の泉さんが、同じく学生である由井拓帆さんとともに、栄区の魅力発信(とくに若者向け)を行なうことを目指し、任意団体として活動しています。
当日は、残念ながら由井さんは欠席でしたが、泉さんが堂々としたプレゼンを行ないました。
横浜市内で高齢化率トップの栄区は地域課題先進エリアともいえます。ここで地域Webメディア事業を立ち上げ、地域の人へフォーカスを当てたインタビューを通して、まちの魅力を発信するプロジェクトが発表されました。
メディアを通して、若者のまちづくりへの参画を促し、地域の魅力を内外へ発信していきます!
泉さんのような若い方たちが地域に関わろうすることはとても貴重です。ぜひとも今後も活動を続けてほしいものです。
子ども食堂からコミュニティカフェへ! / 株式会社Underline
子育て応援食堂「みんなの食場」を神奈川区で運営。とにかく起業家らしくなんでも一人でこなせてしまうパワフルな大滝さんですが、今回のプログラムを通してプロボノの方の手を借りたり、意見に耳を傾けたり、人に仕事を任せることを覚えたといいます。
今後はいろいろな人のサポートを得ながら、今まで通りいくつものアイディアを同時並行で進行する姿勢で、事業をますます拡大させていくことが期待されます。
パパの子育てをもっと楽しく! / 株式会社パパカンパニー
パパ友である添田昌志さんと高瀬康道さんが株式会社を立ち上げ、WEBメディア「あそびい横浜」を運営。
横浜の親子なら必ずや一度は閲覧したことがあるというお出かけ情報サイトですが、今後は単なるWebメディアに留まらず、横浜の子育てを楽しくするという視点ですべきことは何かということを、プロボノ5名とともに模索しました。
プロボノが大活躍したこのチーム。チームの一体感が印象的なプレゼンとなりました!
災害への備えを「自分ごと」へ! / 一般社団法人減災ラボ
オリジナルプログラム「My減災マップ」による減災の普及活動を行なう鈴木さんですが、横浜市内の小学校をはじめ、全国さまざまな場に呼ばれ「My減災マップ」を使ったワークショップを行なっています。
けれど、一人では限界があります。「ただしくまねされ、広がる」仕組みが大事であることを、改めてプロボノの方たちとブレストするなかで気づかされました。
今後、ただしくまねされながら、減災普及活動が広がっていくことを期待しています!
難聴者のコミュニケーションを変える! / Jumpers株式会社
最後の2つは、「ものづくり」系。障害者をサポートする機器を開発するお二人です。
難聴者が社会参画をできるよう、補聴器では難点のあった部分をクリアする機器「フェーストーカー」「グループトーク」「会話君」などを開発しています。
プログラム期間中、実際に難聴者やその方の職場の同僚に使っていただくなど、モニターをしてきました。
その結果、教会の礼拝や大学のゼミで採用されるなど、少しずつ広がりを見せています。今後の展開に注目です!
読む能力を拡張するウェアラブルデバイス / 株式会社OTON GLASS
視覚障害を持つ方(ディスレクシア)向けに、メガネ型の音声読み上げディバイス「OTON GLASS」を開発しています。
すでにメディアなどでもたびたび取り上げられている島影さんですが、商品開発と並行して、“誰に対してこの商品を展開していくのか”を改めて検討した期間となりました。今後の展開にこちらも注目です。
おわりに
6つの起業家が駆け抜けたこの半年間。講義とメンタリング、そして複数回のミーティング。
事業と並行して進めることは決して楽ではありません。それでも、このプログラムに全力でコミットした起業家ほど、分野は違えどもともに頑張る仲間に出会い鼓舞し合ったこと、アドバイザーやプロボノがその活動のファンになってくれたこと、それらのことが大きな糧になったことは間違いないでしょう。
すべての起業家が当プログラムをきっかけに、さらなる発展をしてもらえると信じています。
関内イノベーションイニシアティブ株式会社
横浜関内関外地区の業務再生を目的に2011年に開設したソーシャルビジネスのインキュベーション施設の運営会社。シェアオフィス・コワーキングスペース・イベントスペースの3つのフロアがある「mass×mass関内フューチャーセンター」を運営。その他にも、スタートアップの企業やプロジェクトに地域で資金調達する仕組みとしての「FAAVO横浜」の運営、ソーシャルビジネスの起業家を育成する「ソーシャルビジネススタートアップ講座」等のスクール事業、コミュニティデザイン事業を行なう。コワーキングスペース、シェアオフィスには現在約90社が入居。社会起業家・NPO・ITベンチャー・各種士業・コピーライター・WEBデザイナーなど異業種コミュニティが増殖中。これまでに手掛けた起業講座の受講生は1000名を超える。
(text momoko takase /photo hiroyuki horigome)