mass×mass
コワーキングスペース 入居者
BOOKART
Yuki Gotandaさん
横浜関内エリアにある空きビルの1F・2Fをリノベーションしてつくられたシェアオフィス/コワーキングスペースmass×massは地域をオモシロク、豊かにしたい人たちが学べるスクールやあたらしいチャレンジをはじめたい人達が集うコミュニティプラットフォーム。50席のコワーキングスペースと30以上ある専有空間シェアオフィスのうち、シェアオフィスは満室御礼。(2018年1月現在)
いままで以上に幅広い分野の起業家・スペシャリストが集い、良いシナジーが生まれてきています。
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2015年夏からはじめたトークイベント『mass×mass Cafe』(毎月第一金曜日に定期開催)は、新しい価値をつくっている実践者の方々をゲストにお迎えして、これからの働き方や暮らし、なりわいづくりをテーマにトークセッションを行ってきました。これまでお越しいただいたゲストスピーカーは60名を超えています。
(▶︎mass×mass Cafe レポート!『これからの”消費のあり方”を考えよう! 〜「ものをつくる人」と「ものをつかう人」のあたらしい関係性。エブリデニムが描くものづくりの未来〜』)
そんななか、mass×massメンバーからも様々なチャレンジやアクションが生まれています。
今回お話を聞いたのは、mass×massコワーキングスペースのメンバーでグラフィックデザイナーとして活動しているYuki Gotandaさん。
「いつか自分のブランドを立ち上げて、発信していきたい!」
そう思っている人は、どれくらいいるだろう。
しかし、実際に行動にうつせる人はなかなか少ない。
小さい頃から絵を描くのが好きで、美術科のある高校へ進学したというGotandaさん。
授業でアートを学んでいくうちに自分はアーティストとして表現していくよりも、なにかつくったもので誰かに喜んでもらえる方が好きだと気づいたそう。
「たぶんアートとデザインの違いで。アートは自分を表現することが多いですが、デザインはだれかのために目的があってつくる。
私はだれかの役に立てるほうが面白いなって感じたのでデザインの学校へいくことに決めました。」
高校生のときに、だれかの役に立ちたいという理由で進路を決められるとは、すごい。
そして専門学校を卒業後、デザインの最先端があつまるニューヨークへ2度、渡米します。
出る杭は打たれる日本に対して、さまざまなチャレンジに寛容な自由の国アメリカ。
Gotandaさんはそれを身をもって体感してきました。
「多分、ニューヨークで成功している人はそれまでに助けてもらった経験があるからだと思う。
自分から言わないと何かしてあげようか、って感じではないけど、何かチャレンジしたい人がいたらそれを汲んで助けてくれる人はすごく多い。」
さまざまな価値観が許容されるニューヨーク。
「美しさは内面からにじみ出る」
「年を重ねるごとに、人は魅力的になってゆく」
そこで触れることのできた考え方をデザインに込めたジュエリーを制作しました。
「本を読む人は美しい」をテーマにしたジュエリーブランド『BOOKART』について、Gotandaさんにお話を伺います。
自分が素敵と思っているものをつけていると、自信がわいてくる
── 『BOOKART』のリリースおめでとうございます!
ブランドコンセプトの「本を読むひとは美しい」がシンプルだけど芯のあるメッセージで素敵だなと思いました!
五反田さん ありがとうございます。
ジュエリーブランドだけど外側だけの美しさだけではなくて、内側を美しくしていくというところにコンセプトを置きました。
それって、読書はそれにすごい近いって思ったんです。
── 本を読んでいるときは、自分だけの時間に入っているイメージですよね。
五反田さん そう、他人にどう見えるかではない視点で選ぶジュエリーをつくろうと決めていて。
BOOKARTのジュエリーってちょっと奇抜にしています。それはどう見られたいかよりも、自分が素敵だなってときめいたものを使ってもらいたいと思ったからです。
(写真)BOOKARTのホームページより
── ジュエリーって外向きというか、どう見られたいかで選ぶ人が多そうな気がしますが、BOOKARTはその逆なんですね。
五反田さん もちろん誰かに見てもらうためっていうのもあるかもしれないですね。一方で、自分が素敵と感じているジュエリーを身につけていると自信が溢れて、それが外側にも溢れることがあります。
読書している姿って素敵だけど、それはポーズがかっこいいわけではなくて、その人から出る知性が素敵に見える。そういうときに、このジュエリーも使ってもらいたいなと思ってデザインしています。
── そもそもリーディンググラスをデザインしようと思ったのはなぜですか?
五反田さん ジュエリーブランドをつくりたというのは漠然とありました。
ただ、普通のことをやっても他と差別化できないなという意識もあって。
ある日、母親がリーディンググラスを持ち歩く用と家用と使い分けていることに気がつきました。
そこでいろんな人に聞いてみると、多くの人が母と同じように使い分けていること、そして家用は地味なものがおおいことが分かりました。
それだったら、家でつけても素敵だと思えるものをつくろうと思いました。
── 身近なところからヒントを得ていたんですね。
五反田さん そうなんです。
とはいえ、メガネそのものはとても精密なものなので、型をつくる過程は鯖江の職人さんにお願いしています。
一つひとつ職人さんによってつくられているので、つけ心地も良いものになっています。
インタビューを行った日は気持ちが良いほどの快晴。せっかくだから、とテラス席へ出てお話を伺いました。
あたらしい働き方の軸をつくるために
── しっかりとそこは任せているんですね。すごい。
一方で、そうすると、まとまった発注が必要で、必然的に在庫を抱えることになりますよね。(すみません…急に生々しいはなしで。)
五反田さん これは私の働き方を変えるための投資でもあると思っています。
── 詳しく聞かせてください!
五反田さん そもそも自分のブランドをはじめようと決めたのには2つの理由があります。
1つは、 デザイナーとして仕事の幅を広げるためです。これまでのお仕事はクライアントさんにとって必要なものをカタチにするものが多かったんです。つまり、クライアントさんから依頼を受けてやる仕事です。なので、私が関わる領域もデザインのみになります。
そうではなくて、ブランドに関わる過程を一通り自分でやってみたいという思いがありました。
── 企画からお客さまに届けるところまで。
五反田さん そうです。
そして2つ目は、あたらしい仕事の軸をつくるためです。
つまり、自分発信の基盤をひとつ作ることで、新しい仕事の軸をつくろうと思いました。
── なるほど!
五反田さん 将来、結婚をしたり子どもが生まれたり。また海外にも行きたいと考えていて。
そのときに、自分でコントロールできる仕事の軸がひとつでもあれば、積極的にチャレンジしていけるからです。
── すごく良い循環ができそうですね!さらに、そういう軸を持つことで、違うところからもチャンスが生まれそうな気がします。
今後、どのように『BOOKART』を展開していきますか?
五反田さん BOOKARTはこの世界観やコンセプトに共感してくれてくれるひとに届けたいと思っています。
そういう意味では、全員に受け入れられるというよりは、共感してくれるひとたちを大切にしたいです。
今後はたくさんの種類をつくるというよりは、定番になるアイテムのあるブランドにしていきます。
── 素敵すぎる。これからの展開がとても楽しみです。
最後に、コワーキングスペースの感想も伺えたらと!
五反田さん 24時間使えるのは嬉しいです!それに、一緒に仕事はしていなくても、一人で仕事をしているところに誰かの目があるのはいいなと。強い人じゃないとサボるし。笑
ポストがあったり、荷物を受け取っておいてもらえるのも嬉しいですね!
── 嬉しいコメント!今日はありがとうございました!
五反田さんが手がけている『BOOKART』が気になった方は、ぜひページ下にあるサイトをチェックしてみてください!
最後まで読んでくださった皆さまありがとうございました。
何かをはじめようとすると、すこし勇気がいるかもしれません。
それでも、踏み切るには目指したいビジョンが明確にあることや相談できる仲間がいることが心強いのかなと感じました。
今回お話を伺いながら、あらためて横浜で新しいチャレンジをするひとたちを応援していきたいと思いました!
成功だけではなく失敗もシェアしながらより良い価値を地域に届けられるコミュニティをつくっていこうと思います。
横浜で起業に向けたスクールも6月20日からスタート!何かはじめたいという方はこちらもぜひチェックして見てください!
◆プロフィール
Yuki Gotanda
横浜、ニューヨークでグラフィックデザイナーとして活動。主に美術展のポスターやコンサートのリーフレットなどのデザインを手がける。2017年にアイジュエリーブランド、BOOKARTをスタートさせる。
◎BOOKART(ブックアート):https://www.bookartjewelry.com/
◎Instagram:https://www.instagram.com/bookartjewlry/
(text / photo : hiroyuki horigome)