• TOP
  • PROJECT
  • Innovation SCRUM
  • 『プロボノ』で自分の中に”できること”がふえていく!ソーシャルビジネスとの新しい関わりかた
PROJECT / Innovation SCRUM

『プロボノ』で自分の中に”できること”がふえていく!ソーシャルビジネスとの新しい関わりかた

posted:

さっそくですが、皆さんは『プロボノ』をご存じですか?
― プロボノとは「公共善のために」という意味のラテン語の略で、職業や経験から得られたスキルや知識を活かして行なうボランティア活動のこと。

 
働き方が多様化するなか、プロボノについて知っている人や関わる人も少しずつ増えてきました。
それでも、聞いたことがないという方もまだまだ多く、もし知っていたとしても「プロボノってどういうことをするの?」「どんなところが面白いの?」「実際にどれくらい関わるの?」など、疑問は尽きないと思います。
 
今回は、昨年度『プロボノ育成プログラム』を受講し、実際にプロボノとして活動をした郡山南さんと横山好美さんにお話を伺いながら、このプログラムのこと、プロボノとして働くということなど、掘り下げていきます!
 

「ソーシャルビジネスってなんだろう?」からのスタート

 
高瀬  郡山さん、横山さん、本日はどうぞよろしくお願いします!
 

郡山さん・横山さん  よろしくお願いします!
 

高瀬  まずお二人について伺いたいのですが、普段どのようなお仕事をされていますか?
 

郡山さん  私は、広告代理店で営業に関わっています。
 

横山さん  鉄道関係の建設コンサルタント会社で、建築士として働いています。
 

高瀬  さっそくですが、昨年この『プロボノ育成プログラム』にエントリーしたきっかけや理由を教えていただけますか?
 

郡山さん  以前私は、自社のプロボノプロジェクトに参加したことがあるんですが、社内だと使えるリソースがいろいろ分かっている上でプロジェクトを進められたんです。
一方で、社外でおこなうプロボノって一体どんな感じなのかと純粋に興味を持ったので参加してみました。

ただ、はじめる前は「自分にできるのかな?」「自分のスキルで大丈夫かな?」「スケジュール合うのかな?」といった不安はありましたね。
 

横山さん  『ソーシャルビジネス・スタートアップ講座(※)』で起業について学んだんですが、そもそもプロボノが支援する事業者というのは、かつて起業した人たちですよね。
そういう点でも興味がありましたし、『プロボノ育成プログラム』に参加すれば、間近でソーシャルビジネスのさまざまな面を見られるんじゃないかとも期待しました。

あと、普段は規模の大きな会社を相手に、ある程度決められた枠の中で仕事をすることも多いんですが、このプログラムだと、支援する事業者が比較的小さめだったり非営利団体だったりするので、もっと根本的なところから関われそうな気がしたので。
(※マスマスが開講しているもうひとつの講座。ソーシャルビジネスをはじめたい方向けのプログラムです。こちらもただいまエントリー募集中)
 

 
高瀬  そもそも「ソーシャルビジネス」については知っていましたか?
 

郡山さん  ソーシャルというワードを耳にする機会はとっても多くなってきているので知っているような気になってたんですが…実はよく分かっていなかったというのが正直なところです。

でも、講座で「ソーシャルビジネスとはなんぞや?」というところを教えてもらえたので、ちゃんと理解することができました。なんとなく頭で理解しているのと、実際に教わるのではやはり違いますね。
この講座では、1コマで本1冊分、それくらい濃い内容が学べたと思います!講座を受けてよかったです。
 

横山さん  本を読むより頭に入りやすいですしね。質問もその場でできるし。僕もとても勉強になりました。
 

郡山さん  NPOとかソーシャルビジネスの世界にあんまり縁のない人にとっては、その世界を知る入り口として講座はよかったんじゃないかなと。
単に時間と体力をつぎ込んで奉仕するという感じより、講座をとおして団体が想いや理念をもってやっていると知れたので、プロボノの活動もやりやすかったですね。

支援中ふと、「なんで今これをやる必要があるんだっけ?」と思うことがあれば、講座のことを思い出して「そうそう!団体に◯◯という想いがあるからだ」と思えたり。
講座はプロボノ活動中の『よりどころ』という感じでしたね。スキルを活かしてボランティアをやるからこそ、ソーシャルビジネスへの理解はとても大切だと思います。
 

 
横山さん  プロボノをするにあたって、チームメンバー同士が講座をとおして『共通認識』を持てたこともとてもよかったと思いますね。
 

責任はないが、無責任とも違う。プロボノとしての関わりとやりがい

 
高瀬  実際にプロボノをしていた期間はどれくらいでしたか?どのような時間の使い方をしていたかぜひ教えてください。
 

郡山さん  関わった時期は12月~2月までなんですが、実際は、団体担当者と顔合わせをして、話を聞いて、打合せをして、作業して、すり合わせをして・・・といった感じで、正味1ヶ月半くらいだったと思います。
 

横山さん  仕事が終わったあとにやったりしていました。図面を書いたり、ヒアリングシートのフォーマットを作ったり。

自宅では小さい子どもがいてなかなか集中できない時間帯もあったので、子どもが寝てから2~3時間集中してやったりしてましたね。
年度末が近づいてきて本業が忙しくなって大変なときもあったんですけど、やる気が出たときとかアイディアが浮かんだときとかに一気にやったりしてました。あと、移動時間にいろいろ考えたりとか。
 

郡山さん  団体との打合せは数回やっていて、毎度2時間くらいあるんですが、そうすると内容も結構ボリュームがあって。忘れないうちに帰りの電車のなかで、頭の中を整理したり考えたりしていました。

整理した情報や考えたことは、細切れの時間のなかで、ちゃんとした資料にしていったという感じです。
 

横山さん  結局仕事のスキルを活かしてプロボノをしているので、本業をしていてもアイディアは浮かんでくるし、気持ちとしては途切れないんですよね。街を歩いているときにも「あ、あれ参考になるかも?!」と思ったり。
 

 
郡山さん  机の前に座って「さぁいまからやるぞ!」という感じではないですよね。

本業とまったく違うことをするならそうかもしれないけれど、本業のスキルを活かすとなるとむしろ切り離すのは難しい。そして、忙しい時間のなかでいかに時間を作るか。そのあたりを自分でコントロールしてたと思います。
 

横山さん  アイディアがパッと浮かぶときには一気に取りかかるし、煮詰まってきたら少し放っておくとか、そんな感じでしたね。会社の仕事とそのあたりがちょっと違うかもしれません。
 

郡山さん  普段できることの延長線上でやるからこそ、改めて時間を作ったりイチから勉強したりそういう必要が無い。

だから、考えるための時間が取れないといったことはありませんでした。本業をすこしだけスライドさせる、そんな感じで取り組んでいたと思います。
それがプロボノのメリットかな。
 

高瀬  プロボノに向いているのはどんな人だと思いますか?また、プロボノをするときのスタンスはどんな感じでしたか?
 

横山さん  もしかすると、仕事の時間とそれ以外の時間をきっちり分けたい人には、プロボノは向いてないのかもしれません。
 

郡山さん  きっちり時間を分けてプロボノに取り組もうとすると、頑張り過ぎちゃうかもしれませんね。私はその点、ものすごく頑張ったという感じではなかった気がします(笑)
 

 
横山さん  僕も頑張りすぎることはなかったですね。でも「困っているので助けてあげたい」という気持ちはありました。

当事者ではないので明確な責任はないんですが、無責任とは違うんですよね。
プロジェクトに参画したからには完成させる。その成果に対する責任はあると思ってます。
 

高瀬  プロボノとして実際に何をしましたか?支援するなかで感じたことなどありますか?
 

郡山さん  私は、NPO法人の広報計画を立てるところに関わったんですが、結構重要な部分を担うということで、はじめはやや荷が重かったというのが本音です(笑)

ただ、担当者と話しながらいろいろ探るなかで、徐々に互いの共通認識が持てるようになってからは、やるべきことがパッと見えるようになりました。
そして、広報計画を作ったことでその後広報予算が増えたんだそうで、そのように成果を出せたことがとてもうれしかったです!

予算が増えたということは、広報の大切さについて内部でコンセンサスを取れたということだと思うし、NPOの方が常々大事だと思っていながらもなかなか着手できなかったことを一歩進められたということがよかったなぁと。
歩幅は小さくても進んでいくことが大切だと思います。
 

横山さん  僕の関わった団体では、端から見ていていろいろ課題はすでに見えていたものの、団体自身、お金が無かったり意思決定が大変だったり、まずそういった面で難しさを感じました。

僕たちが気づいた課題をそのまま指摘しても受け入れてもらえるかわからないので、まずはお客さんやボランティアスタッフ、理事などたくさんの関係者のヒアリング調査をやりました。
実際ヒアリングをしてみると、ご本人たちはそのままで良いと思っていることも、実は改善したほうがいいという声があったり、事業者さん自身に課題に気づいてもらうことができたと思います。

僕ははじめから「こんな外観や内装に変えるといいのでは?」というアイディアを持っていて、図面も描いていたんですが、それを実際に提案できたのはチームでやったヒアリング調査の結果があったからこそでした。チームのおかげです。

提案したことがすぐに採用されて進められるわけではないかもしれないけど、それでも課題を認識してちょっとずつ進んでいってもらえるのはひとつの成果かなと。
あと、自分にとってはちょっとした提案であっても「おおー!」とリアクションが良かったり、うれしかったですね。普段なかなか仕事ではもらえない反応が新鮮でした!
 

郡山さん  普段仕事ではなかなか感じられないようなレスポンスは、たしかにありましたね。「すごいです!」って純粋に感謝されたり。自分が出来ることをして感謝される喜びがあったと思います。
 

 
横山さん  「仕事の対価は金銭、プロボノの対価は感謝」なんじゃないかなと。
 

郡山さん  もちろん普段の仕事でも感謝されていると思うんだけど、面と向かって感謝されることは少ないので、プロボノでそうやって感謝されることがとても新鮮でした。感謝されるとうれしいし、「プロボノの対価は達成感」でもあるかもしれないですね。
 

横山さん  「仕事の原点、なぜ仕事をするのか」ということにもつながってくるかもしれません。そのあたりを思い出させてくれるというか。やってみてわかったプロボノの良さですね。
 

郡山さん  「他人事が自分事になった」そんな感じかな。
 

横山さん  金銭が発生しないので、ときどき「本業が忙しいのに、何のためにこれやってるんだっけ?」と思うこともなくはないんですけどね(笑)
 

郡山さん  あと、新しい人たちと出会えたことも大きかったかなぁ。プロボノをしなかったら出会うことのなかった人たちに出会えました。
 

横山さん  年齢とかも普段なかなか接点のない人たちでしたしね。
 

郡山さん  事業者さんも、プロボノの仲間も、このプログラム参加しなければ出会うはずのなかった人たちだったと思います。
 

横山さん  そういった出会うはずのなかった人と、それぞれの立場の違いを超えてフラットに一緒に仕事ができたというのも大きかったですね。
 

高瀬  プロボノをやってみたい人にぜひ一言!
 

横山さん  僕の場合、普段自分のやっている業務は、もともとやりたかった仕事とはやはりまったく同じというわけではないんですが、プロボノだとやりたかったことの一端に気負わず取り組めるのがいいと思います。

100%ボランティア精神というわけでもなく、なんか面白そうだし、やりたいことの延長線上で自分のスキルを活かして貢献したいという人に、プロボノをおすすめしたいと思います。
 

郡山さん  私はボランティアというとなんかちょっと違うというか、実際プロボノをやってみて気づいたんですが、「なにかいいことしたい、貢献したい」とか「面白そう」とかそういうことを思ったわけでもなくて、結果的にプロボノをすることで自分の中に「オプション」が増えるという感じです。

会社勤めをしていると、仕事、家庭、プライベートの枠だけに収まりがちなんだけど、プロボノが世界を広げてくれたなと。
働き方を変えなくても、隙間の時間でいろいろできるということに気づけたり、新しい考え方に気づけたり。

ボランティア精神とかそんなことでなくても、プロボノをして自分のなかに「選択肢」を増やしたいという参加の仕方もいいんじゃないかと思います。
 
 
 

プロボノの魅力についてたっぷり語ってくれたお二人。実際にやってみたからこそわかったことや、実感できた良さがあったようです。みなさんも、プロボノに興味が沸いてきたら、このプログラムをきっかけに一歩を踏み出してみてください。きっと新たな発見や経験が待っているはずです。エントリーお待ちしております!
 
 

エントリーはじまる!6月11日(日)まで!

724_2

 

『ヨコハマ・イノベーションスクラム・プログラム』は、マスマスを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社が実施するソーシャルビジネスを経営する5事業者を半年間“地域”全体で応援する、アクセラレーションプログラム。

昨年度に引き続き今年度も実施されることになりました。
実際にソーシャルビジネスを行なう団体や企業を対象とした『個別支援プログラム』と、その事業者を支援したいという人のための『ソーシャルビジネス支援人材(プロボノ)育成プログラム(以下プロボノ育成プログラム)』の2つのプログラムを同時開講します。
プログラム詳細/エントリーはこちら