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イベントレポート | 【田園都市で暮らす、働くを語ろう 第三回】郊外における”小さな経済圏”の未来像

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田園都市で暮らす、働くプロジェクトとは

持続可能な郊外住宅地のためには、地域で新しい働き方が生まれ、充実したライフスタイルを送れることが大切と考えます。さまざまなプログラムを通じて、田園都市沿線での豊かで新しい暮らし方・働き方を創出するプロジェクトです。

▶︎次世代郊外まちづくりの活動の一環です。

 
田園都市沿線の新しい兆しなど“今の青葉”について語るイベント「田園都市で暮らす、働くを語ろう」。
第3回目は魅力的な取り組みに溢れたまちづくりを考える上で大切な“経済”について、TOKYObeta Ltd.代表の江口晋太朗さんをお呼びして「郊外における”小さな経済圏”の未来像」をテーマにじっくりとお話いただきました。
 
経済(エコノミー)の語源オイコノミアは「共同体」という意味だそうで、どうしたらより良い共同体として維持していけるのか、循環を考える事だったそうです。
この切り口に立つだけでも、現在の“経済”の概念とは違った見え方が広がりそうです。
 
著書も多く執筆されている江口さんならではの、参考書籍の紹介も織り交ぜながら、“地域経済”の捉え方から各地の取り組みまでご紹介いただく、ボリューム満点の回となりました。
 
さあ、江口さんと共に「”小さな経済圏”の未来像」を探っていきましょう!
 
 

ゲストスピーカー紹介

 

編集者 / TOKYObeta Ltd.代表
江口晋太朗さん

「都市と生活の編集を通じて、誰がもその人らしい暮らしができる社会に」をテーマに、
都市開発、地域再生、空間プロデュース、事業開発、ブランディングなど幅広く取り組む。
ワンダートランスポートテクノロジーズ株式会社プロデューサー。
東京都心部一帯の文化資源活用を提案する東京文化資源会議事務局次長。
Yahoo!個人ブログ、ハフィントンポストなど多数の媒体で執筆、寄稿。
 
著書に『孤立する都市つながる街』(日本経済新聞社出版社)『日本のシビックエコノミー』(フィルムアート社)
『ICTことば辞典』(三省堂)他。

 
 

[イントロ]
「SECOND CAREER 地域企業セミナー」について

まず冒頭に今回の「田園都市で暮らす、働く」という、田園都市沿線での豊かで新しい暮らし方・働き方を創出するプロジェクト取り組みの中のひとつである「SECOND CAREER 地域企業セミナー」について弊社代表の治田よりご紹介させていただきました。

セカンドキャリアとして横浜市内を拠点に起業を考えている方、具体的なビジネスプランは定まっていないが社会起業について学びたい方を対象にした講座です。
起業についての基礎的な知識から、先輩起業家の話を聞ける機会をご用意しています。

個別相談もたくさん用意しておりますので、起業を難しく捉えずに「地域ってなんだろう」「起業ってなんだろう」そんな気軽な気持ちで参加していただき、何かやりたいと思った時の仲間づくりをしていただくなど、この講座をスタートに地域に関わっていただけたらと思います。
 

 
SECOND CAREER 地域企業セミナー https://massmass.jp/project/aoba_secondcareer2020/
 
 
 

[ゲストトーク]郊外における”小さな経済圏”の未来像
編集者 / TOKYObeta Ltd.代表 江口晋太朗さん

 
江口さんは、編集デザインファームTOKYObeta 代表で、「都市と生活の編集を通じて、誰がもその人らしい暮らしができる社会に」をテーマに、都市開発、地域再生、空間プロデュース、事業開発、ブランディングなど幅広く取り組んでいらっしゃいます。
 
はじめに、震災直後、まだ珍しかったコワーキングスペースの空間づくり、NPO法人グリーンバードと連携し、ゴミや環境問題の啓発のための海の日キャンペーン、拾ったゴミを可視化するアプリの開発についてご紹介いただきました。
 

 
 
続いて、銀座でのテナントの空き期間に行った空間プロデュースについてご紹介。
スペースを1日 1m²単位で借りたいだけ借りられるスペースで、スペースを借りるというハードルの高いものを細切れにする事で、主婦の方がお店を出したりなど小さなチャレンジが生まれる場となりました。また、普段と違った方が出店される事で今まで銀座に来なかった方が来たり、新しい流れも生まれたようです。
 

 
 
さらに、地域の中の“資源”“ユニークな資産”を掘り起こす、滋賀県彦根市で行われた「まち歩き」の活動もご紹介いただきました。
「地元の人」「隣街(市)の人」「遠方の人」など違ったレイヤーの人達をグルーピングし街を歩いたそうです。
普段は地元の方がなかなか行かないお店も、遠方の方から見たらとても面白いお店だったり、普段気づかない魅力=街の資産をマップに落として可視化していったそうです。
 

 

参考図書:「路上観察学入門」


 
 

“地域経済”の捉え方
ここからは少し専門的に、地域経済の循環についてのお話しです。
まず、地域経済を捉える上でわかりやすい「全体像をとらえるシステム思考」の図を紹介いただきました。
 

 
 
次に「漏れバケツ理論」、バケツ(地域)に投入された資金が、穴からバケツ(地域)の外に漏れでてしまっている絵です。
地域の店舗にちゃんとお金が入っているか、外部の業者に流れていないか。外部に流れてしまっているならば、どうやったらその穴を小さく出来るのか、この絵を参考に考えると捉えやすくなるようです。
 

 
 
また、地域に大きな資金が投入できない場合の、小水路に例えた資金の流れや、地域内の経済効果を理解するための地域内乗数効果(LM)についてもご紹介いただきました。
「地域の方が今まで外部で買い物していたものを、1%でも地域で買い物をするという変化が得られれば、地域の中に資金を行き渡らせられ、大きなインパクトを得られる。」その為に、顔が見える関係、いいものを買おうという意識、地域の中で足りないもの(漏れてる何か)を作り出す事がヒントのようです。


 

 
 

参考図書:「吉里吉里人」井上ひさし(著)

 
 

“小さな経済圏”の参考事例

最後に“小さな経済圏”の参考となる取り組みについて3つ程ご紹介いただきました。

イギリス 「The people Supermarket」
「スタッフは会員制ボランティア」「運営はみんなで決める」「食料廃棄をなくす取り組み」という3つの特徴を掲げた、みんなで支え合う互助組織的スーパー。


 
 
コロナをきっかけに生まれた取り組み「チリンチリン三鷹」
コロナによって離職せざるおえなかった方を積極的に雇用し、地元の商品をデリバリーする取り組み。

 
 

鹿児島長島町「ぶり奨学金プログラム」
高校がない地域のため、地域の外へ就学しそのまま就職してしまう為、人口流失に悩んでいた長島町で、地元の行政と信用金庫が取り組んだ教育ローン制度。卒業後10年以内に長島町に戻ってきたら(移住したら)ローンを全額還付するという取り組みです。
同時に、戻ってきた若者が就職するための雇用の創出や空き家の再生など受け入れ体制の整理も行政主導で行っているそうです。

 
 

参考図書:「実践から学ぶ 地方創生と地域金融」山口省蔵、江口晋太朗(著)
江口さんの最新著書です。まさに今日のテーマの参考となる内容です!

 
 
 

クロストーク

 
ここで進行の横浜市建築局 田島さん、弊社治田を加えてのクロストークを行いました。
参加者からの「横浜はバケツの穴をふさぐのでなく、入りと出を大きくした方が良いのではないか。」という質問をきっかけに話が膨らみました。

 
江口さん:今日の話は1つのフレームワーク、話題提供のひとつです。地域や業種によってはバケツの穴を広げて入りと出を大きくしていくという事もあると思います。
 
田島さん:地域の特色は歴史、土地、風土、そして人の活動の違いが大きく地域の色の違いになっていくように感じる。誰がどんな活動をしているのか認識していくのが良い。
場所によっては、バケツの穴をふさいだり、広げたりが必要でそういった多様性が大事なのではないか。
 
最後に、江口さんに「地域経済をまわしていくいくつかの手法の中で、あおば区はどういうものが良いのか、地域コミュニティを作っていくためのフックになるものは?」と質問したところ、
 
江口:商売、ビジネスによっては外に広がっていく事も必要、今日は“経済”がテーマで見えるエコノミーについて主に話をしましたが、隣同士のつながり、福祉などの目にみえないエコノミーまで高められると、その場所の価値性が高まり暮らしがさらに豊かさにつながっていくのではないか。また人的資源、社会資源を街に還元していく事になると思う。
 
とお話しいただきイベント終了となりました。
 
 
当日のアーカイブ動画はこちらのページアップしてありますので、あわせてご覧ください。