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【REPORT】あおば拠点歩き vol.1〈美しが丘西エリア編〉

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田園都市で暮らす、働くプロジェクトとは

持続可能な郊外住宅地のためには、地域で新しい働き方が生まれ、充実したライフスタイルを送れることが大切と考えます。さまざまなプログラムを通じて、田園都市沿線での豊かで新しい暮らし方・働き方を創出するプロジェクトです。

▶︎次世代郊外まちづくりの活動の一環です。

 

地域で活躍、活動している場・人に会いに行こう!

第1回目のあおば拠点歩きは「美しが丘西エリア」で開催しました。
梅雨のタイミングでお天気が心配されましたが雨に降られることなく、参加者15名と美しが丘西エリアで事業をなさっている方にお会いしにいきました。
実践者の皆さんは事業と地域の両方に向き合っています。地域との関わりやこだわりのポイントをうかがってきました。

当日の様子をレポートでお届けします!
 
 

郊外住宅地の一軒家を活用した「book&café Nishi-Tei」


 
美しが丘3丁目の静かな住宅街の中にある大きな平屋。靴を脱いで中に入ると、木の梁がむき出しになった高い天井のカフェ空間、テーブル席の奥には広々とした和室もあり、足を伸ばしてゆったりとお茶や読書を楽しめる空間がありました。
 
窓の外いっぱいに広がる緑を眺めながらコーヒーを飲んでいると、ここが横浜だということを忘れて高原のコテージに来たような気分になります。カフェの一角には本棚のほかに、地元の作家さんによるハンドメイドアクセサリーが展示販売されていて、所々に女性らしさがちりばめられていました。
 

 
カフェオーナーの岡崎さんは、子育ての合間にほんのひと時心を休ませることのできる場所が欲しいと考えていたそうです。そんな時に知人にこの家の持ち主を紹介され、2016年にカフェをオープンさせるに至りました。今では地域の憩いの場として、幅広い世代の方々が来店され、ヨガや、ハンドメイドマーケットなどのイベントもたくさん行われています
住宅街にある拠点運営は近隣の方とのコミュニケーションが不可欠であること、場所貸しにあたっては利用者との対話の中で集客へのアドバイスなどもされているとのことでした。
 
 

フラワーショップ「空の箱」


 
シックな色合いの花や優しいグリーンが目を引く店構えが印象的でした。店内には冷蔵庫は無く、低めの室温設定によって花持ちを良くさせる工夫がされています。家族の協力のもと、子育てをしながらも自分がやりたいことを実現できる働き方を実践されています。
 

 
あえて店の扉を開けっ放しにしているのは、通学路として店の前を通る子どもたちと花を通してコミュニケーションをはかるためだそうです。「駄菓子屋さんのような感覚でフラッとお店に立ち寄って欲しい」というオーナーの大谷さん。この日は赤ちゃんをおんぶしたまま参加者を出迎え、花の名前を説明しながら接客する姿を見て、この街と共に生きてくという想いを感じました。
 
 

美しが丘西地区センター


 
図書館、会議室、料理室、音楽室、体育館、キッズスペース等を併せ持つ、美しが丘西地区センター。
土曜日の午後ということもあり子どもが多く、一階フロアは利用者さんで賑わっていました。

このまち歩き企画では行政施設にも立ち寄ります。地域起業をめざす人にとって、行政施設は安価に借りられる場であり、イベント集客の面からも強い味方になることが多いからです。
横浜市青葉区役所の伊藤さんからは青葉区内の行政施設について紹介がありました。青葉区内には、地区センターが6つ、コミュニティハウスが8つ、地域ケアプラザが12あるそうです。地域活動を支援する場であり、営利活動ができないないなどの制約はあるものの、それぞれの特長を知り、フルに活用してほしいものです。
 
 

Café BLanCo


 
もともと一つのことにこだわって追求するのが好きだった性格を生かして、中米産のコーヒー豆を研究し、脱サラしてカフェを開業。公園の近くでお店を開きたかったというオーナーの言葉通り、緑豊かな保木公園の前にある素敵な空間でした。コーヒー豆を焙煎する香りが漂う店内、窓からさす優しい日の光が心を和ませてくれます。
この地域で開業した理由、開業までにかかった費用のこと、珈琲の師匠との関わり方など参加者からの突っ込んだ質問にきちんと対応してくださいました。
 

 
開業にあたっては迷うことも多かったけれど、妻が背中を押してくれた。お金に対する考え方も変わり、今が大変充実している」とのコメントは心に残りました。
通りに面した小窓から学校帰りの子ども達が声をかけてくれるというエピソードもあり、ゆるやかな地域との関わり方はとても参考になりました。
 
 

平津SUNサロン


 
閑静な住宅街の緩やかな坂の上にある集会所。目の前には遊具のある公園もあり、子どもから大人まで一休みするには絶好の場所となっています。この集会所は地域の住民が積み立てた自治会費と、ヨコハマ市民まち普請事業の助成を受けて2011年に開所されました。
ラジオ体操の他にも、この場所は会合やサークル活動にも使われ、災害時のいっとき避難場所としての機能も持っています。
 

 
この地区の300世帯がほぼ100%自治会に入会しているという点から、この地域の結束力と自治会に対する関心の高さがうかがえます。そして自治会の運営を維持させるのは並大抵ではないことが想像できます。「最近のイベントにはこの地区外からの来訪者が増えていて(川崎からも訪れる人がいるのだそう)、そのことはうれしいけれど、費用や人的な面からも自治会という枠組みの限界を感じている」と言いつつも、コアメンバーの地域を想う力に感心しました。
 
 

振り返り


 
約3時間の拠点歩きを終え、今日の振り返りをしました。WISE LIVING LABについて紹介もなされました。
参加者からは「近くに住んでいても知らないことがまだまだたくさんあって、地元の魅力を再発見できた」、「地域コミュニティとの関係つくり、子ども達との関わり方が大変参考になった」、「自分のお店は駅から遠いことがハンデだと思っていたけれど、だからこそお客様にゆっくりしてもらえるし、会話を楽しむことから新しい関係が構築できるのではないか」という感想がありました。
 
時間が限られていた中での訪問となりましたが、すでに地域で活動されている方のお話には説得力があり、大好きな街で暮らし、働き、共に成長していくライフスタイルがとても輝いていました。
休日にも関わらず、ご協力をいただいた各拠点の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。